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Sabbat・Servant(サバト・サーヴァント)  作者: ゆにろく
6月10日 日曜日
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33話 交差する契約者たち

◆ロック◆


「誠! いいから行くわよ!!」


「元々危険を覚悟で来てるんだ。 今回の件でわかった、契約者は願いを叶えるため必死になってる。 何をするかわからない」


「あーもう!! エクソシスト! あんたも説得しなさいよ!!」


「……小早川……、これ」


スマホにニュースアプリから通知が来ていたのだ。


「どうした?」


「いいから見ろ!」


小早川も俺のスマホ画面を覗く。

この近くの駅に止まっている電車でテロが起きたという記事だった。

推定の死者が100人を越えているとも書いてある。


「大量の斬死体が発見されたらしい」


「これって……」


「……十中八九契約者だ」


小早川の顔が青ざめ、憤怒の表情へ変わっていく。


「なんで……! どいつもこいつも」


「小早川どうする。 ここで契約者を相手にするか?」


「……いや、そっちの現場が先だ!」


思わぬ形で小早川を撤退させることができた。

が、ちっとも嬉しくない。

怒っているのは小早川だけではない。

町ひとつ巻き込んだ学ランの契約者もそうだが、どうして自分の願いのために無関係な人をこんなにも巻き込めるのか。


小早川は度が過ぎているが少なくとも善人だ。

小早川を見て、契約者の全てが悪と決めつけるのは良くないのではないか?という疑問が生まれていた。

しかし、違うんだ。

やはり、契約者は悪魔と取引をした屑ばかり。

ハーデンバルトさんがいない今、俺が契約者を全員狩る。


「リザ! あとここの契約者は後回しだ!!」


「……誠。 ちょっと遅かったみたいね」


「ちっ」


悪魔の放った言葉の意図を汲み思わず舌打ちしてしまう。

間に合わなかった。


「おいおい、ボロボロじゃないか」


「ラッキーだったなぁ! 通ゥ」


路地から二人の男が姿を見せる。

一人は黒髪で細身、目の下のクマが目立つ顔色の悪そうな男。

もう一人は胸を大きく開けた服に顔までタトゥーを入れた大男。

その大男には角が生えていた。

……こっちが悪魔か。


「しっかし、エクソシストと契約者が一緒にいるとはどういうこったァ?」


「アークマイン、契約者はどっちだ? そっちから殺せば良いんだろ?」


思った通り好戦的で、俺はともかく、小早川を逃がす気はないようだ。


「あの銀髪の悪魔が近くにいる方だぜぇ、契約者は。 まあ、エクソシストもめんどくせぇし殺っちまえよ」


「それもそうか」


やるしかないか……?

日本刀に手を掛ける。


「誠。 もう一人来たわ」


悪魔……リザのほうが口を開く。


「通ゥ、後ろからもう一人遅れてきたぜぇ」


空き地の右手から来たもう一人の契約者はブロック塀を飛び越して登場した。

黒髪で目付きの悪い男。

その男は金髪の少女の悪魔を連れていた。


「ぞろぞろいんじゃねぇか」


「……ッ!? 二階堂っ!」


小早川がその契約者を見て声をあげた。


「小早川、知り合いか?」


「……、一度闘った」


小早川が闘った。

つまり、こっちも好戦的ということだろう。


「正義ヅラじゃねぇか!」


二階堂と呼ばれた男は小早川を見て、そう言った。

正義ヅラ。

二階堂に「戦いは辞めよう」とか言って、怒りを買った小早川の姿が目に浮かぶ。


「通ゥ、また増えたぜ!!」


「めんどうだな」


二階堂の登場に通と呼ばれた契約者とその悪魔も反応を示す。


その時、底知れない魔力を肌で感じた。

背筋がゾッとする。


「い、石動……か?」


その源は二階堂。


「知り合いかぁ? 通ゥ」


「……? 知らん」


二階堂は通を見て何か衝撃を受けている。

よくわからないが、通は二階堂のことを知らないらしい。


「やっば」


そう漏らした金髪の悪魔──二階堂の隣にいる──は唖然としていた。


「おい、小早川ァ」


「……なんだよ」


「……お前はァもういい、逃がしてやる。 そこのエクソシストもだ」


二階堂の声は震えていた。


「それどういう意味──」


「とっとと失せろ!!!」


小早川の腕を掴む。


「小早川。 状況はよくわからないが、俺達はこいつらに構ってる場合じゃない」


「あ、あぁ。 行くぞ」


二階堂の後ろを通りブロック塀を飛び越える。

何がなんだかよくわからないが、連戦は避けられた。

まあ、次向かう場所も戦場には変わりはないが。


「なんだったんだろ」


「わからないけど、二階堂は後回しだ。 ロック! 事件のあった駅まで案内してくれ」


「……あぁ」


スマホを片手に俺と小早川は走り出した。

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