28話 ガルバ
◆ガルバ◆
桐川絶については最後までよくわからなかった。
右腕を失なった時点で引いていればまだ生きていたかもしれない。
加勢をわざと煽るような真似をしていなければ負けていなかったかもしれない。
そう思う。
いや、そう思った。
でも、口には出せなかった。
俺は王になってみたかったが、そこまで執着はしていない。
しかし、あそこまで相方が追い詰められたなら止めても良かったのではないかとは思う。
人間というのは、悪魔と違い本能のままという生き方ではなく、ルールだったり、何かの鎖に縛り付けられている。
人間は窮屈で、退屈な生き物だと思った。
絶の話を聞いてなお思った。
しかし、絶は最期満足そうに死んでいった。
何が絶にとって楽しかったのかも何に満足したのかもわからない。
しかし、絶の最後を見て悪魔の俺が
──羨ましい、とそう思った。
絶は戦いながらまるで失っていた自分を見つけるように『想い』を大きくしていった。
そんな、彼の事を止めることができなかった。
自分優先で絶の事を考えず、止めるのが悪魔だろう。
なぜ、止めれなかったのか。
絶との会話は楽しくはなかった。
なぜなら、彼の一方的な質問攻めであったからだ。
今では絶に聞きたいことがたくさんある。
絶は死んでしまった。
人間を生き返らせるのは悪魔とはいえ容易ではない。
もう少し、絶と会話をしておくべきだった、とそう思った。
そんな後悔に似た何かを胸に、俺は魔界へ帰還した。




