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憂鬱な気持ちは、ほどほどに

俺は、憂鬱な気持ちでドアノブに手を掛けた。


「ただいま」


「あらー!おかえりって麗奈ちゃんじゃない!いらっしゃい」


「お邪魔します!」


俺の憂鬱な気持ちも知らないで、元気に挨拶したのが俺の母親の三上香織みかみかおりだ。


母さんと麗奈は、かなり仲がよく、俺と麗奈がもめると確実に麗奈の味方になる。俺の家だからといって調子に乗ると麗奈と母さんが俺の前に立ちはだかる。


ま、怒らせなきゃいいんだけどな!


「あれー?海斗、帰ってきたの?」


この兄を兄とも思わない発言。俺の妹の三上舞みかみまいだ。


「おい!なぜ今日麗奈に家庭教師を頼んだ?そういことは、前もって俺に言えよ!」


「何で海斗に言っとかなきゃいけないの?」


くっ!言えない、前もってわかっていれば、学校帰りに寄り道してちょうど麗奈が帰る頃に行き違いで家に帰るためなんて!後ろに麗奈もいるし、この状況を打開する策は、1つしかない。


「母さん!メシまだぁー?」


「もう、そろそろよ!こっちに来て食べなさい!」


ナイス母さん、これでごまかせる。


「はーい」


「わかった!今いく!」


2人は、揃ってリビングに向かっていった。


よし、今回は、平和に終わらしてみせる!強い決意でリビングに向かった。


「麗奈ちゃん、高校生になってまた1段と綺麗になったわね」


夕食中、まあほとんど母さんがしゃべっている状態だ。


大体高校生になって1段と綺麗になった?いやいや、まだ高校生になって1ヶ月だからな!


「海斗、あんたまさかまだ高校生になって1ヶ月しかたってないからそう変わってない!とか思ってんじゃないでしょうね?」


なぜ?俺の思っていることが分かるんだ?まさか読心術……ないな!そんなことはない。


「そんなこと思ってないよ、ただ…」


横に座っている舞が、俺をつんつんと指で、つついてきた。

何かと思ってみて見ると舞の手には、紙が握られており、そこに書かれている文字を読み取ることができた。…結論、そんなこと言えねえよ!大体麗奈だってさほど気にせず飯くって…ないな。箸は止まり俺を見つめてる!というのは、いい解釈で実際は睨んでるな!確実に。俺は、今一度舞が持っている紙に目をとおす。よし、この紙は無視してと!


「でも、1ヶ月しかたってないのに随分大人っぽくなったよ麗奈は!」


どうだ!これが俺の導きだした答えだ!


麗奈は、止めていた箸を動かし再び食べはじめた。


「ありがと!」


非常に小さい声だったが、俺はしっかり聞き取った。なんだ、可愛いとこあるじゃん!と思いながら夕飯を食べた。「それじゃあ、俺は風呂入るからな!」


そう宣言して立ち上がった。


「あ、出たら言って私入るから!」


あれ?嫌な予感が…まさか


「泊まるの?」


「悪い?外見てみなよ!」


何だよ!外って嵐か、雷か、麗奈の帰路を邪魔する輩は、俺が、叩き潰してやる!


俺は、玄関のドアを開け、外の様子をみた。なるほどね、このまま外に出れば、俺は、叩き潰される。外は、大嵐であった。こんな状態で麗奈を帰すわけには、いかん。俺は、現状を受け入れリビングに戻った。麗奈は、ソファーに座ってテレビを見ていたが、俺に気づくと黙って見つめてきた。


「風呂でたら、呼びに行くわ」


「わかった」


そう言うと再び麗奈はテレビを見だした。


俺は、そのまま風呂場へ向かおうとした。


「待って!」


麗奈に呼び止められた。


「あんた、明日暇?」

こうきたか?だが、甘かったようだな!ここは断固として譲らん。


「あー!悪いけど明日用事が…」


「無いわ!」


馬鹿やろう!舞、だが、こればっかりはプライベートだ。お前とて分かるはずが…


「昨日言ってたよね!今週末暇だってさ!」

やられたよ舞!いつの間にこんなに憎たらしく…おっと間違えた。強くなったんだな。


「で、あんた明日暇なの?」


俺は思いっきり麗奈に言ってやった。


「全然暇!!」


俺は風呂の中で考えていた、恐らく明日連れ出されるだろう!そうだ明日も嵐が、続く…わけないな、もう期待するのは、やめよう!

よし!風呂出たらいち早く布団に入り現実逃避をしようと、決めた俺であった!

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