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姉妹は、ほどほどに

少し前まで俺は自分のピッキングの力量に賭け、鍵を開けようと試みていたが…今さっき自力で鍵を開けることを諦め、高坂と向かい合っている。


「なあ、1つ聞いていいか?」


「どうぞ!」


「高坂は麗奈に何らかの形で勝ちたいんだよな!だとしたら何のために俺と付き合うってことになるんだ?」


「はぁ、何を言ってるのよ。北条麗奈とあんたは付き合ってるんでしょ?だから奪い取ってやるために決まってるじゃない。」



高坂が何の迷いもなく、はっきりした口調で言う。

うぉぉぃ!こいつ何か勘違いしてる。それもかなり激しく…何処で誰に聞いたかは知らないが、まったくのでたらめだ。俺と麗奈は幼馴染みであってそれ以上でもそれ以下でもない。


「いや、違うって!高坂は、何か勘違いしてるぞ。誰に聞いたかは知らないが、俺と麗奈はただの幼馴染みだ。」


「え、そうなの?私てっきり…」


俺の言葉に反応し、驚きの表情をみせる。

そんなに驚くことだろうか?高坂のこの反応を見るかぎり、学校の中で勘違いしている奴は他にも居そうだ。


「あれ?でも、そういうことは…」


高坂は何かに気づいたようで手をポンと叩くながら何か呟いている。


「…付き合って無いってことは…そういうことで…ということは…まだ北条麗奈の……に気付いていない…わけで……信じられない…」


急にうつむき、俺に背を向けて1人の世界へと入ってしまった高坂は小さい声で何やら呟いている。何を言ってるのかは、わかんねぇけど何か、嫌な予感は凄く感じる。


しばらくして1人の世界で呟くのを終えた高坂は振り向くと勢いよく俺に近づいてくる。



「まあ、事情が変わったけどいいわ。ほんの少し北条麗奈に同情するけど、そんなの関係ない。やっぱり私と付き合いなさい!三上海斗。」


事情が変わったってどこがだよ!振り出しに戻ってんじゃねぇか!それに少しだけ麗奈に同情するってどういう意味だよ?麗奈に同情する前に俺に同情してほしいわ!まったく!

そんなことを考えているうちに高坂が追い討ちをかけてくる。


「ほら、付き合うって言いなさい!どっちみち逃げ場は無いんだから」


そう言うとフフッ♪と笑いながら俺の肩に手をかけてくる。


「!!!!」


うぅっ…めちゃくちゃ近い!…げ、限界だ。

高坂の可憐ないい香りにドキドキしながら俺は必死に高坂から目をそらした。


「いつまでそうしていられるかしらね。まぁいいわ。時間はたっぷりあるんだから!」


そういうて高坂は俺の頭を持って強引に自分の目線へとあわせた。


ドキドキ!ドキドキ!

あぁ!理性が!俺よ、頑張れ…うぅ、近くで見るとさらに高坂は綺麗だ。いかん…いかん、誰か助けてぇぇぇぇ!



ピッ!カチャ!



「何してんの?紅羽?」


突然後ろのドアの方から声が聞こえた。


あれ?開かない鍵のはずなのに誰か来た?俺はとっさに振り返り、ドアの方を見た。入ってきたのは、落ち着いた感じの大人の雰囲気のある美少女であった。気がつくと高坂が俺の肩に手をかけるのをやめ、あれだけ近かった距離も少し離れている。


「紅羽、ここで何をやっていたの?答えなさい!」


彼女は高坂にさらに追及を続ける。さっきとは、うって変わって大人しくうつむき黙っている高坂。

何だ?いきなり、ばつが悪そうな顔しやがって、一体どうしちまったんだ。俺は、訳がわからず、高坂と見知らぬ彼女を交互に見る。俺の行動に気付いたのか、見知らぬ彼女が話しかけてきた


「ごめんなさいね、妹が迷惑かけて」


「いや、いいんで…えぇぇぇぇ!!!!妹?」


そんな、妹って…俺は確認のため高坂の方を見た。俺の視線に気付いた高坂は黙って頷いた。


「私は紅羽の姉の高坂茜こうさかあかねよ!よろしくね」


「あ、どうも三上海斗です。こちらこそよろしくお願いします」


よし!大人しく冷静だ。この人ならこの状況を何とかしてくれそうだ。これでやっとこの部屋から解放される。


「さぁ、紅羽!海斗くんに何をしていたか白状してもらうわよ!」


「…………」


高坂は、しっかりものの姉には弱いのか、それとも怖いのか、ひたすらうつむき黙っている。

ふん!まあいい自業自得だしな。


「あの、じゃあ姉妹でつもる話もあるだろうし俺はこのへんで失礼します」


そういった俺は、部屋を出ようとドアノブに手をかけた。



ピッ!ガチャ!


ガチャ?俺は耳を疑った。まさか…俺が振り返ると茜さんがリモコン片手に笑っていた。


「誰が、帰っていいって言ったの?」


「…………」


「さぁ、海斗くんも紅羽の隣にきて!ほら早く!」


え?俺も?…


「いや、俺は被害者です……」



「早くしなさい!」


「はい」


茜さんの強い口調にさからえず、俺はおとなしく高坂の隣に向かった。


「じゃあ、2人揃ったところで何があったのか話してちょうだい」


「はい…」


俺と高坂の返事は、偶然にもハモってしまい部屋に虚しく響いた…






はぁー!誰でもいいから…









俺をここから出してくれぇぇぇぇ!!!!



ご評価、感想など頂けたら嬉しいです。読みにくい所もあるかと思いますが、頑張りますので、これからもよろしくお願いします。読んで頂き本当にありがとうございました。

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