04 救い
瑠奈爺「どうじゃ?」
瑠奈の母親は、頭を横にふる。
瑠奈爺「やっぱり、ダメか。」困り果てた顔をしている。
守は、うっすら光りながら、横たわる星の妖精に気づく。
守「それって、この前の妖精ですか?」これ以上、関わるべきじゃないとわかっているが、無意識に言葉が出てしまった。
瑠奈爺「そうじゃ。だが、光が薄れてきている。」
守「僕が、余計な事をしたからですよね。」部外者の自分が、手を出さなければと、後悔する。
瑠奈「あの時、私じゃ、助けられなかったから。」
守「ごめんね。守れなくて。」守の手が、星の妖精に触れる。
その瞬間、星の妖精のうすれていた光が強まりだした。
その場にいた皆が、驚いた。
瑠奈母「この薬を・・・光を強める液体なの。」瑠奈の母親は、守に、液体の入った注射器を渡す。
守は、その注射器を、星の妖精の口に近づけてみる。
星の妖精も、飲んでくれている。
星の妖精から、発していた光が安定する。
飲み終えた星の妖精は、うっすらと目をあけ、僕を見て安心したのか、指にしがみつき、寝息をたてた。
僕達は、星の妖精の寝顔を見て、安心して、大広間へと向かった。
星守家の人達は、なぜ、僕にそんな力があるのか、不思議に思っている。
自分自身も不思議で、しょうがない。
今なら、瑠奈の親族も、冷静に聞いてくれそうなので、この前の事を、細かく話した。
瑠奈爺「星網を使わず、素手で掴まえたのか?」
守「無我夢中で・・・。」星の妖精を素手で掴まえた事が、一番驚いていた。
星守家の人達でも、星網を使わないと、掴まえられないらしい。
そして、守への処罰の話が始まる。
瑠奈爺「異例じゃが、今回の件も含め、処罰するべきじゃないのかもしれんな。」
守「ありがとうございます。絶対、この秘密は守りとおします。」
深々と、頭を下げた。
瑠奈爺「1つ提案があるんじゃが?処罰は関係ない。」
守「えっ、何ですか?」
瑠奈爺「瑠奈の婿にならんか?」
守と瑠奈は、赤面した。
瑠奈「何、言ってるの、お爺ちゃん。」ものすごく慌てている。
瑠奈爺「星守家にくるには、申し分ないじゃろ。」