03 処罰の日
帰り道、無言の2人。
守「それにしても、星守さんの歌声、綺麗だったよ。」守は、少しでも、気分を変えようと、話す。
瑠奈「あの歌が、星たちの目印になるの。」
守「また、聴きたいけど・・・無理だよね。」
瑠奈「星守家の秘密は、知られてはいけないの。」
守「・・・そうだよね。」守は、覚悟を決めていたが、冷静さを保つのに、必死だった。
瑠奈「着いたよ。」
守「すごく立派な家だね。」守の目に映ったのは、昔ながらの豪邸だった。
心臓の鼓動も早くなり、守は、事の重大さに改めて、気づかされる。
瑠奈は、ドアを開け、入っていく。
守は、深呼吸をしてから、瑠奈についていく。
心の準備が、追い付かないまま、大広間に、連れていかれ、瑠奈の家族に囲まれていた。
親に叱られ、泣くのをこらえていた瑠奈の姿が、目に焼き付いていた。
俺のせいでと、罪悪感を感じる。
ひとまず、秘密を口外してはならないのと、処罰は、後日という事で、その日は解放された。
あれから、3日がたった。
家族にも言えず、生きた心地がしなかった。
学校でも、瑠奈と話す事は、なかった。
相変わらず、星の本を読んでいる。
本当は、星の妖精の様子を聞きたいが、聞けるはずもない。
学校が終わり、瑠奈が近づいてきた。
瑠奈「今日・・・」気まずそうに、話しかけてきた。
守は、今日という言葉だけで、理解できた。
守「じゃあ、着替えてから、すぐ行くね。」と答え、足早に、その場をあとにする。
家につき、軽く身支度を済ませ、星守家に向かう。
瑠奈が、門のところで、待っていてくれていた。
ちょっと、嬉しかった、1人じゃ、入りづらいから。
瑠奈のあとをついていくが、家の中ではなく、裏庭の方に向かっていく。
大きな倉が、視界にはいってきて、倉の前には、瑠奈の爺ちゃんの姿が見えたので、守は軽く頭を下げる。
瑠奈の爺ちゃんを先頭に、倉の地下を進んで行く。
通路は、薄暗く、気温が冷たく感じる。
守は、拷問されるのではないかと、背筋がゾクッとした。
いろいろとドアがあったが、一番奥の部屋に、連れていかれる。
ドアを開けると、瑠奈の母親がいた。