01 出逢い
夜道、自転車に乗り、空を見上げる男「今日は、星がキレイだな」と呟く。彼の名は白星 守、星が好きな普通の高校生だ。
正面に目を向けると、足をひきずりながら、歩いている人影が見える。横を通りすぎる時に、ふと目をやる。自転車に天体望遠鏡や虫あみや虫かごをくくりつけている。
通りすぎながら、頭の中で考える「あの子って、確か、いつも星の本を読んでる星オタクで、名前は星守 瑠奈」何か急いでる感じだったな、話した事はないが、星好きに悪い人はいないと、女の所に向かう。
女の前に、立ちはだかる男。守「星守さんだよね。」瑠奈「・・・。」明らかに警戒している。守「同じクラスの白星守、決して、怪しい者じゃないよ。」必死のアピール。瑠奈「白星くん。」
守「何か急いでるんでしょ。送るから、後ろに乗って。」
瑠奈「・・・でも。」困っている顔している。
守「必死そうな顔見たら、ほっとけないよ。」と言いながら、自分の自転車に瑠奈の荷物をのせる。
守「一応、同じクラスで、面識あるだろ。不審者じゃないから、安心して」
瑠奈「ありがとう。」後ろに乗る。
守「どこに向かえばいいのかな?」
瑠奈「星ヶ丘。」
守「えっ、立ち入り禁止じゃ?」
瑠奈「大丈夫、私の家の所有地だから。」
守「・・・そうか。しっかりつかまってなよ。」ちょっと動揺してしまった。
なぜなら、星ヶ丘は、広さといい、そこに咲いている星花や、珍しい星光石などがあり、国の重要文化財級の代物なのだ。そこが、所有地って、凄すぎだ。星好きの守にとっては、心底うらやましいはずだ。