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_Viewpoint 美紗季
パパは、せなか から思いっきり車にぶつかった。
あたしを強く抱きついたまま……。
パパは、ものすごく痛がっている。どうしてあたしを守ってくれるのかが分からない……。
「パパ? ……なんで、なんで美紗季のことを守るの? ……美紗季のこと嫌いなんでしょ?」
あたしは、何を言っているんだろう?
「……誰がお前のことを嫌いなんて言った?」
「だって、美紗季より仕事のほうが大事なんでしょ?」
「確かに……仕事のほうが大事だ」
「じゃあなんで!?」
「お前が……大事だから、家族が……大事だから仕事しているんだよ!」
「そ、そんなわけないじゃない……ってか、私にはわからない!」
「別に今わかってくれなくても構わない」
痛がっているのに、真面目に答えてくれるパパが、かっこよく思えた。
「なぁ、……美紗季、お前に頼みがあるんだ。……これで救急車を呼んでくれるか?」
「うん!」
パパからケータイを借りて、救急車を呼んだあと、あたしは、また……、目の前が真っ暗だ……。




