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マッチ売りの少女

夏、蝉の声が降り注ぐ頃。

(少女)「マッチ、マッチはいりませんか?」

スタッ(少女が前に立ち塞がる音)

(男性)「え……、いらないよ?……何に使うのこれ?」

(少女)「そうですね、今は花火とかに使えますよ。冬になれば暖炉の火をつける時にも!ね?便利でしょ!」

(男性)「にしてもねぇ…ライターで十分だよ。暖炉なんかないし」

(少女)「そんな!マッチの良さが分からないんですか?!」

ズイッ(少女が迫る音)

(男性)「お、おう?」

(少女)「マッチ、それは儚げな光を放つ魔法の炎…それに魅入られれば、遠い記憶のあの人も蘇る…そんな力が含まれているのに、こんなにも安い…この赤リンとの摩擦で出るこの箱の煙にもその儚さが宿ります。瞬間のその灯火や揺らめく煙…それが宿る数々の思い…それに加えて、マッチ棒の煙もまた何とも言えない儚さがあります。その儚さに身を委ね、思いの畑に身を寄せる。そして何より、最近ではこのイラストたちのかわいさがマッチの魅力を上げてくれる。え?イラストが魅力なだけ?そんなことはありません。マッチそのものの

(男性)「待った……」

(少女)「はい?」

(男性)「買います……なので、その辺でお願いします」

(少女)「ふふ、毎度あり……」


押し売りされました。

少女「私の名前?マッチでぇ〜す!アーチーチー」

男性「別人だからな」

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