番外編 3日目と4日目の間
私はこの戦について記録を残している。
明らかな捏造であれば魔法使いなら簡単に気づく。
いや、魔法使いならば明らかとかは関係なく捏造に気づく。だから本当の事を言い訳のつくように残さねばならない。
今の一連の言もその一巻である。
私は皇帝を1人殺した。
戦争をより被害の少ない終着点に落ち着かせるためだ。それは魔術師のなさねばならない使命なのだ。
私は皇帝についてさも私が皇帝を殺した事がしょうがなかった事のように書かねばならない。
皇帝はどんなに悪辣でおのが使命を忘れていたか。
初代皇帝に比べどれ程劣っていたのか。
初代との差が最も顕著に現れたのは直轄軍の使い方であろうか。
非常時の判断である。初代皇帝は非常時であれば直轄軍に死ぬ策を授ける事が出来たが、3代目は死ぬかもしれない策しか命じられなかった。
人としてどちらを取るべきかではなく皇帝としてどう判断をするかだ。
その事が国民を多く死なせる事はもちろん、軍の死亡率まで上げる事になっていた。
もちろん私の創作である。”気がする”を省いた。
また仮に私が皇帝だったとして私に初代皇帝のような決断が出来るかといえば、はっきり出来ないといえる。3代目のようにかもしれない策を命じるのがやっとだ。それさえ出来ないのではなかろうか。
魔術師協会は錬金術師を笑えない。
私はサラを笑えない。
いや魔術師は錬金術師より優れているのだと思い直し、次の戦場へと移動する。




