2日目
魔術師協会には暗躍する際につかう施設がある。
そこには1500人を超える魔術師があつまっている。
魔術師協会の暗部。協会は魔術師が利用されては世界に大きな被害を与える為、魔術師は怖いという印象を作る為に作られた組織ではあるが魔術師側からさえ理解を得られていない。
魔術師の地位向上と世界平和の為の組織。
何も嘘は言っていない。
「お前達はもっと上手く嘘をつかうべきだった」
1人の魔術師が現れる。
ウォルター氏はたった1人だった。
たった1人で300人の魔術師を一瞬で殺害した。
何をしたのかもわからない。
そして彼が一文字喋る事に味方が死ぬ。
そういう技を使ったのではない。
力量差が彼にそういう脅しをかける余裕をうんだ。
最初に死んだ300人は私を除いた上から300人の実力者、彼が喋ると強い順に死んでいく。
「ウォルター殿、魔術師協会に反旗を翻すおつもりか」私は問いかける。
「私は魔術師協会に忠誠をちかっている。お前達の処分と引き換えに帝国から手を引く。そういう約束だ。お前達は魔術師協会から見捨てられたのだ。お前達が再度魔術師協会に忠誠を誓うのかを見極めそうでないものは殺すように言われている。」
100人程の魔術師が更に死ぬ。
ウォルター氏は我々を見渡す。
噂はしっている。魔術師協会には魔術師が暴走した際に消す為の部隊がある。
「我々は暴走等していない、我々こそが真の魔術師協会の本分を全うしているのだ!」
仲間の1人が叫ぶ。名前が思い出せない。最初に死んだ300人もそうだ。魔術師はけっして物事を忘れない。これはウォルター氏の呪いによるもの。
ウォルター氏は呪術にも精通している。
ウォルター氏は微笑を浮かべた後
「協会の上層部はそう思わなかったようだ」
といった。
皆が立ったまましんでいる。
ウォルター氏が何をしたのかもわからない。
何人生き残っているかもわからない。
私はなぜここにいるのだろう。
ウォルター氏が私に近づく。
私は「命だけはお助け下さい。」と言った。虫のよい話である。帝国は我々が起こした戦争により、2日間で10万人を超える死者を出した。
私はそれを思い口元が歪んでいくのをかんじる。魔術師は力を使える場は少ない。
自分が強いと実感できる場が少ない。
「キムンカムイにあったのだろう。彼は君の部下で恋人の魔術師を面白半分で殺したそうだ。向こうが歯向かってきたのだから当然だが、それでも君が何も出来ずにいたのに怒りを覚えたそうだ。なぜ恋人が殺されそんな態度で居られるのか。私も同じ気持ちだ」
と言った。2人とも知っているだろう。
歯向かえば殺される。だからどれだけ悔しくても手を出せなかったと。知っていてそう言っている。
私は顔を上げる。残忍な顔をしたウォルター氏の剣が振り下ろされる。ウォルター氏が戦えない魔術師等と言ったのは誰なのだ。
ウォルター氏の剣を弾くものがいた。
魔術師協会最強の男、アーヴェル。憎き錬金術師に私は救われた。
「先生戯れが過ぎますよ。この人は生かす予定のはずです。」
彼はそういった。彼等は繋がっていた。そしてウォルター氏の弟子であったのだ
私は生かす予定になっている。
ウォルター氏は語りける。
「私は戦えない魔術師だ。君は殺さない。帝国の月の民への迫害は目に余る。だから私は彼等が独立し、国を作る事には賛成なのだよ。それには弟子達優しすぎる。外部からのお膳立てが必要だったのだ。そして戦争はもう止められない。被害を抑えるにはこの手しかなかった。」
「先生、僕が死ぬのも勘定のうちですか?」
「優秀な魔法使いそう簡単には死なないし、普通の死なら生き返る。君なら復活できるだろう。」
私がサラ達をそそのかし戦争を起こした事で助かった。私は恐怖で泣いていた。
彼が魔術師協会と通じていた等は嘘だとわかる。暴走した魔術師を消す部隊等存在しない。
一瞬で大昔からある噂を作り上げた。そして戦いが終わり噂が必要なくなると噂は消えた。
魔術師は死なない。
相当の実力差があっても殺す事は困難である。アーヴェルは一度死に復活する。被害を減らしたまま決着をつけるために動く。彼の話しぶりからキムンカムイともすでに通じている。
それでも死んだ1500人のうち復活出来たものはわずか4人であり、その4人も魔法が使えなくなっており、後に2人は自殺し、2人は発狂した。
近い時代に史上最強の魔術師がおり、その者の引退により現役最強の魔術師の座を得た。
弟子に追いつかれているという話もあった。だから皆彼を甘く見ていたのだ。
後の世では彼は死ぬことになるだろう。
そして彼と戦ったことのあるものは誰も信じることはない。




