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スタート 0.3  作者: プーリ
疑惑
7/53

 まさに快晴。

 波も特には気にならない。少し太陽が眩しいくらいか。

 ヘルメットのシールドを下げる。眩しさは少しはマシになる。

 出走のランプが灯り、コースへ飛び出していく。

 さっきの気合はどこへ行ったんだと言いたくなるくらい、中川さんはスタート展示とはいえ、割り込みをして前付けに来ることなく、すんなりと2コースに入った。

 正直、無理矢理にでも1コースを奪いに来るんだろうと覚悟していた。

 スタート展示は、本番とは違うので油断をさせて本番では1コースを取りに来るかもしれない。

 ただ、中川さんは心理戦を仕掛けてくるような人には見えない。

 やはりクビがかかるレベルということもあり、シンプルに実力不足で1コースを奪えなかったのだろう。そこまで抵抗したつもりはないし、無理矢理来たらどうしようと警戒はしていた。

 それにしてもあの気合、テレビやネットで大きなレースのように近くで撮影しているカメラがあったら、オッズが大きくかわっていただろう。

 大時計がゼロに向かっていく。

 ボートレースは「フライングスタート方式」というのを採用している。

 モーターはスタートラインで一斉に停止し、ヨーイドンとは行かない。

 そのため、大時計というものがあり、0秒から1秒の間に選手はスタートラインを通過する。

 簡単に言えば、「見えないスタート」を切っていく。

 0秒よりも早くスタートラインを超えれば「フライング」として、舟券は返還となり、レースに参加できず、レーサーにも罰則がある。

 逆に1秒よりも遅くスタートラインに達しなかった場合も「出遅れ」として、フライングと同様に舟券は返還となり、レースに参加できず、レーサーにも罰則がある。

 自分で決めている目標物、0コンマ何秒という秒数、風向きと距離、最後は感覚でスタートラインを目指す。

 今日は伸びが欲しかったのと、気になるのでスタートまで9.25秒ほどで145m付近でスロットル(アクセル)を入れていく。

「どうだ?」

 スタートラインを過ぎた頃、向こう正面のバックストレッチに入り、大型ビジョンをチラッと横目で見て確認をする。

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