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スタート 0.3  作者: プーリ
疑惑
6/53

 モーターの回転数、ともに理想のセッティングに近づいた。

 記者には言わなかったが「負ける気がしない」とはこういうことだろう。

 その後、試運転で2周コースを回った。

 出足はもう少し欲しいが、周り足、伸びに関しては言う事がない。

 ただ、このメンバーであれば、この出足で満足だ。

 もうモーターの調整や整備はいらない。ここからは、もはやメンタル調整だ。

 控室に戻り、プレイヤーでストフラの曲を聞く。

 テンションを戦いに持って行くにはこれが一番だ。

 深呼吸をして、展示ピットへ向かう。

 ボートレースでは、レース前に「スタート展示」というものをおこなう。

 それは次のレースに出場する選手が、本番のレースを想定したスタート練習や、ターンをおこなう。

 ファンはそれを見て、モーターやボート、様々な良し悪しの最終確認をする。

 最終確認は選手にとっても同じだ。

「やべぇな…」

 3号艇の橋野のヘルメットから小さく漏れた声が聞こえる。

 クビがかかってる2号艇の中川さんが、食堂から持ってきた大量の塩を地面に撒いている。

 いや、もはや大きく巻き散らかしている。

 職員も注意がしにくい。悪いことではないが、お清めにしては量が多すぎる。SNSで有名になった力士の取り組み前のようだ。

「よーーし!!」

 大きく握りこぶしを作った中川さんの声が響く。

 気合の入り方が凄い。もう、空回りは避けられないほどだ。

「始動!」

 職員の声とともに、モーターを始動させる。

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