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第44話 入学試験 1日目①

毎日更新が目標だったのですが体調を崩してました。

また読んでいただけると嬉しいです。



 教会から神父さまが現れると、後光に包まれていた。なんと、同時に日が昇り始めたのだ。

そんな奇跡のような光景に全員が息をのんでいると、神父さまから入学試験の説明が始まった。


「諸君、魔法学園入学試験の為、お集り頂き誠に感謝致す。

 では早速だが入学試験の説明を行うが一度しか言わない。また、質問を受けることもないので各自で解釈をしてこの入学試験に挑んでくれたまえ。」


 唐突に始まった説明だったが、皆静かに話に集中していた。僕を除いて。


「ねぇ、リンキー。これって何かの謎解きみたいなことを言われるってことなのかな?」


 僕が小声でリンキーに聞いた瞬間周りの人たちに睨まれた。

リンキーは“しーっ”のポーズをして、僕に静かにするように促した。

 幸い、僕らが待機していた場所は神父さまから距離があったため、気付かれなかったようで神父さまは少し間をおいてから話を再開した。


「うむ。一部を除いて、しっかりと話を聞ける者たちばかりで安心した。」


 げっ。僕の事バレてるよね?

 あっ、一人だけ服装違いすぎて浮いていたんだった。いまのお喋りが減点対象にならないといいな。


「では第1ステージについて説明をする。

 まずこの教会の裏にある森の中を通り、3つの条件を達成したのち、期限内にゴールを目指してもらう。

 期限については3日以内、つまり今日を1日目とするため、明後日の日没までがタイムリミットになる。

 それから3つの条件だが、まず一つ目。

 この試験は男女ペアで始めること。

ここで男女比率の関係でペアが組めなかった時点で失格だ。今年は男子が多そうだな。

 そして2つ目。

 野生動物の内、イノシシ、鹿、キジ、熊のいずれか一体、もしくは低級魔物であるスライムかゴブリンを一体討伐すること。これは一人一体という意味だ。

 討伐の証として、野生動物の場合は頭部を持ってくること。低級魔物の場合はスライムなら一部を瓶詰に、ゴブリンの場合は両耳をセットで持ってくることを条件とする。

 最後に3つ目。

 森の中にあるゴール地点に辿り着いたら、「無事到着しました」と宣言をすること。

ゴール地点の目安としては皆は当然知っておるとは思うが、この国の歴史で木属性魔法にゆかりのある場所となっておる。

 以上で、入学試験第1ステージの説明は終わりだ。

 では、これより開始とする。」


 神父さまの開始の合図とともに僕らの入学試験が始まった。

 僕はペアを探す前にリンキーに3つ目のことについて、聞こうとしたのだが、超イケメンのリンキーはペアを組みたがるたくさんの女子に囲まれており、近づくことができなった。

 その一方で僕の周りには女子どころか男子すら寄ってこない。

どうやら、服装で身分がかなり下の者と思われ、避けられているようだ。


「うーん、どうしよう。僕だけ平民感ありすぎるもんな。

 このまま第1ステージの森に入る前に失格はさすがにまずいな。

 よしっ、とりあえず女子に余り者が出れば仕方なく僕と組むしかなくなるだろうから。それ!」


 僕はいまだに動くことが出来ていない男だけで固まっている5名の足元に泥魔法を放った。

 すると、見事に足元を取られた五人組は一人が倒れると、そのままドミノ倒しの要領で全員が倒れ、服が泥まみれになった。


「おい、お前何やってんだよ。俺まで倒れただろ。

 どうすんだよ、こんな服でこの先上手くいかないだろ!」

「だ、だいじょうぶだよ。着替えは有るんだし。」


 おっと、着替えも汚しておかないと。てなわけで僕はコソッとその着替えの入ってるリュックに水魔法で濡らしておいた。


「え、雨?何でここだけ?しかも何か臭くないか?」

「うぇ、くせー!」

「おえぇ」

「これじゃあ誰もペア組んでくれないじゃないか・・・。」


 僕は雨の魔法にオプションで超高濃度のジャスミンの香りを付けておいた。

 ジャスミンの香り成分は凝縮するとうんちと同じ匂いになる。

 僕は心の中で“ごめん!”と手を合わせながら、ペアとなってくれる女子を探すことにしたのだが、リンキーの周辺での異変に気付いた。


「あれ?リンキーの周りで女の子たちが魔法を出し合ってる?何でだ?」


「オレのペアは魔法が得意な人を選ぶからどんどんアピールしてくれ」


「うわぁ、リンキーは選びたい放題やってるね・・・。あとから嫉妬の報復受けなきゃいいけど。

 それよりも服装でモテない僕は、っと。居た!」


 僕はみんなの輪に入れず、一人ポツンと居る小柄な女子を見つけたので、早速声を掛けた。


「おはよう、僕はクーフって言うんだ。よかったら僕とペアになってくれない?」


「・・・あなた、何で、私に、声、掛けた、の?」


 おっと。これはシャイガールだったかな?おかっぱ頭で目元も前髪で隠れててよく見えないし。


「僕はあっちで魔法の見せ合い大会しているような人は苦手なんだ。

 君は少し大人しそうな感じがして、気が合うかなって思ってね。」


「そ、そう、なの。ま、まあ、いいわ。わ、わたし、は、誰かに声、か、掛けられない、し。」


「じゃあ、よろしくね!」


 僕はこんなに内気そうな子が魔法学園の入学試験を受けようとしていることに少し違和感を覚えたが他に組む相手も居なさそうなので、適当な理由を付けて組むことにした。


「こ、こちら、こそ、よ、よろしく、ね」


「君の名前を聞いてもいいかな?」


「わ、わたし、ミール、です」


「ミールさんね!じゃあとりあえず狩りをしに行こう。その方がお互いの実力が分かるだろうしね。」


「う、うん。」


 こうして僕の入学試験は無事にスタートを切ることが出来た。

 何も考えずに上手くスタートを切ることが出来たんだけど、出会ったばかりの男女2人が最長二夜も共にするってことを考えた途端、この入学試験には実は裏採点項目として卑猥なことに及んだ者は即失格なんてことがあるんじゃないかとゾッとした。

 まあ幸い、ミールさんに対して異性の魅力を感じることは無かったので僕は安心していたのだが、これが裏目に出るとはこの時は思いもしなかった。


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