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第7話
「ここは・・・・・・」
佐藤が口を開き言葉が地に落ちる前に、少し感じる肌寒さに気付くと、部屋の奥の方から靴音がゆっくりと聞こえてきた。
靴音に神経を集中させていると、
「佐藤様・・・こちラヘ」
声の方向をゆっくり辿ると、白髪の男は一礼をし、ドアの外へ佐藤を促した。
佐藤は自分の意思とは関係なく、ドアの敷居を跨いだ時、後ろから微かに声が聞こえた。
「佐藤様、ご利用ありがとうございまシタ。」
気が付くと佐藤は会社の自分のデスクの前にいた。
「何ボーっとしてるんだよ」
と同僚の鈴木が話しかけてきた。
「あ、あぁ、ちょっとな」
私はそう答えてPCを覗き込むと「えっ!」と声を出してしまった。
少し離れた鈴木が「どうした?」と寄ってきたが、佐藤は「あ、すまん、何でもない」と答えた。
鈴木は「変な奴…」と言いながら再び遠ざかって行った。




