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第2話
簡単に金を稼げる。と甘い誘いに乗り始めたギャンブルにはまり、気付けば毎月の薄給は借金の利息返済に回す壊れた自転車操業の状態。
そんな最中、取引き先に納品する商品の単位数を間違えるミスを犯した。
「個」単位で発注する商品を「ケース」単位で注文していた。
2万個で足りるのに対して200万個の商品が届いた。
取引き先へ納品される前に社内の人間が気付き取引先へ迷惑はかけなかったが私の上司は見た事ない程赤く染まっていた。
「お前のミスだろっ!
なんとしてでも売り捌けっ!!!」
社内に怒号が響いた。
在庫の山を見て
「どうすればいいんだ・・・・・・」
と、焦りを通り越して思考停止の状態のまま足だけが勝手に動きだし、弱音を空に吐いた途端、錆びた足からネジが外れ、気付けば公園のベンチの上。
横たわる身体にはめ込まれた義眼の様に生気の無い目は、モノクロの世界で異彩を放つ気配を捉えた。
歪む程濃い黒色の建物から、手招きをされている様に感じ、気付けば光に誘われる虫の様に近付いていた。




