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生まれた時から勝確

初めは驚いた。


目が覚めたら視線が低いし、派手な部屋だし、手が小さい。

鏡を見つけて確認してみたら二、三歳の外人がうつっていた。


びっくりした。

サラサラの金髪!


前世の俺は白髪混じりの癖毛だったし、髪をなかなか切りにいけなくてボサボサだったし、艶もなくパサパサだった。

野暮ったいメガネもしていたし、なんならちょっと腹も出ていた。

だってアラフォーだもん。



しかし…ぱ つ き ん!


おめめキラキラぱっちりやん。

宝石みたいな深い青!

肌も色白っ!もちもち肌!



なんだこりゃー!!



叫びたかったが、にんげん驚きすぎると声は出ないものなんだな。





>>>>>>


昔、友人が

「産まれた時はみんな平等って親が言うんだよね」

って言った時にはなんとも思わなかった。


なんせ普通の家庭だったから。

人並みの苦労しかない、不自由のない生活だったから。


だが、今思う。



産まれた瞬間、不平等だよ。




第二皇子に転生した俺。

新たな名前はアルベルト・ディア・マークウェル。

転生の記憶が出たのは二、三歳から。


3食豪華でオヤツ付き。

本は読み放題。

美人の侍女達が甲斐甲斐しく世話をしてくれる。

ゴツい警備兵もついてくるが…


こんなん天国やん。




5歳になったあたりから家庭教師をつけられた。

元々学ぶことは好きだし、前世の知識もあるからなんら苦ではない。

マナーも面白い。



6歳になると婚約者をつけられた。

相手が赤ちゃんではなくて良かったが、4歳とまだ幼いので顔合わせはしていない。



7歳で乗馬やダンス、剣術が増えた。

音感ないからダンスは苦手だなぁ。



8歳で初めて婚約者に会った。

マジ天使だった。


栗色でサラサラの髪。うるうるとした夕暮色の瞳。

ぷっくりした唇と子供特有の丸みを帯びた体型。

薄い黄色でフリルをあしらったドレスが似合う。


「リーナ・ラ・キャラウェイです。6歳になりました」


ドレスの裾を持って挨拶する天使。



思わず自分の顔を手で隠しながら、かわいいと呟いてしまった。



家柄などは親が選んだから何も心配はない。

これから交流を深めてお互いを知っていく予定だが、初めて会ったお茶会では好印象しかない。



それからは毎週日曜は彼女とお茶会をした。

庭園で花をめでたり、オヤツを食べたり、綺麗な石を拾いに行ったり。


王や王妃、兄から微笑ましく見守られた。

兄とは4つ違う。

兄は性格も見た目もマジイケメン。



9歳になる頃にはお互い打ち解けていた。

リーナはハキハキとしていて頭の回転も早い。

話していて楽しい。


俺の婚約者と言う事で他の令嬢より勉強量が多くなってしまう事や行動制限されるのが申し訳ない。



10歳になると他の貴族との交流もはじまる。

リーナとも隔週でしか会えなくなるのは寂しい。

なので会えない代わりに頻繁に贈り物をした。


「そんなに気を使わなくても大丈夫ですよ」

「僕が寂しいんだ。贈らせて欲しい」


困った風に微笑む彼女。



マジ天使。



13歳になった時に学園に入学した。

一般と言う名の平民クラス。

入学年順にコマドリ、メジロ、チドリ、ルリビタキ。


特待と言う名の貴族クラス。

トビ、ハヤブサ、オジロワシ、カンムリワシ。


保育園や幼稚園のヒヨコ組とかサクラ組みたいな分け方。

噂によると学園長が鳥好きらしい。


成績順に教室は分けられる。

と、いうわけで俺はトビのAクラスになった。


…鳶職、みたいだな。


授業は家庭教師に習った部分も多く暇だが、個人で学ぶのと団体で学ぶのは雰囲気が違うので面白い。

特に剣術や魔法とか体を使ったり実験するものは、他の人と比較できるから良い。


ただ、団体生活は面倒事が多い。

権力で目立ったイジメなどはされないが、嫌味を言う輩もいる。

どこの世界も同じだな。


2年後。

リーナが入学して来た。

制服姿の彼女もかわいい。

初日に学校の案内などを名乗り出たいが我慢した。

お昼は友達とも交流したいだろうから1日おきに一緒に食べている。




が、問題が発生した。


まだ続きます。

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