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064.小学校の思い出
Wordle 284 4/6
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僕と、コウタと、高橋さん。
鼓膜まで熱っぽく、鈍く揺れる。
窓ガラスの向こうに覗く冬景色が、どこか現実離れして見えた。
潤んだようにてらてらと光を湛えて、黒ずんだ木の床が粉っぽく滑る。そんな床に、ストーブを囲むように貼られた緑色のガムテープが、上履きに引っかかって、ほんの端からひっくり返る。
何本も縦線を引かれて区切られた耳の先は教室の熱気に氷解し。
吐く息と吸う息とが同調する。
コウタは、上履きの滲んだ名前を見せつけるように、半ズボンから覗く膝下をストーブに照らす。ガムテープの線を少しオーバーして。
高橋さんは、足をきっちりと閉じて、その丸っこい指をストーブにかざす。ガムテープの上に乗っかる。
言葉はなかった。
限りなくぼやけた僕の体は、この空間にとけていく。
STOVE




