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一時間三題噺  作者: 蒼亥
3/4

「ペダンチック 」「餌付け」「 身長」

身体測定。1年に一回あるこの行事が私は大嫌いだった。

「はい。これが結果ね~」

先生から身長体重などが書かれた用紙を渡される。皆がわいわいしている中、私はため息をつく。

「はぁ、2センチしか伸びなかったなぁ…」

中学生になったにもかかわらず、私の身長は130台…。いつになったら成長期は来るのだろうか。

落胆していると後ろの方から大声で話しかけられた。

「おーい!エイミ~!お前身長どうだったよ!」

今話しかけてきた少年は幼馴染みのタカくんであり、もう一つの身体検査の嫌い要素だった。タカ君は毎年、私に「身長何センチだった?」ときいてくるため、この時期に関しては、伸び悩んでいる私にとってストレスそのものだった。

タカくんもあまり身長が高い方ではなく、2,3年前までは私の方が大きいくらいだったのに、去年になって同じ身長になったのだ。

「私は138…タカくんは?」

「俺140-!いぇ~い!!勝ったー!!」

大はしゃぎである。

ひとしきりはしゃいだ後、タカ君は天狗になったかのように、「こういうの食べるといいんだよ!」「こんだけ運動すればいいんだよ」なんてペダンチックに説明し始めた。

そんな説明をされ続けられ、私はイラッとし始める。

「いや、あんたも身長小さいからね」

「う、うっせぇ!俺よりちびのやつに言われたくないし。やーい!ちーび!ちーび!」

そんな小学生のような会話を繰り広げていると、もう一人の幼馴染みであるルイちゃんが通りかかる。

「相変わらず馬鹿みたいな会話してるね。お二人さん」

「な、なんだと!……ルイ!お前は身長何センチだったんだよ?」

「ん?158センチ」

「「な!?」」

で、でかすぎる…。

それに比べて、私たちなんてどんぐりの背比べのようなものだ…。

「二人ともかわいいね。ほら、クッキーをあげよう。」

「うるせー!餌付けすんな!!」

「というかここ公立中学だからもってきてるのばれたら没収だよ?」

はぁ、とため息をつく。

なんだか馬鹿らしくなってきて、ルイからのクッキーを受け取り、食べ始める。

「こら!校内でお菓子食ってるのは誰だ!!」

少し騒ぎすぎてしまい、そこにお菓子を食うというダブルコンボをしてしまい、先生からこっぴどく怒られてしまう中、私は「あぁ、もうやっぱり身体測定の日は大嫌いだ。」なんて思うのだった。



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