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一時間三題噺  作者: 蒼亥
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「夜」「猫」「魔術」

この世界には裏がある。どうやっても科学で理解出来ない事象がある。

その一つが魔術だ。

魔術とはいっても色々な種類がある。

一つは言霊。その言葉に意味を持たせ、それは起こりえるもの、当たり前のものだと意識させるもの。 とはいってもこれは極めれば普通の人間にも使える代物であり、世界でもおおく知られている魔術だ。

そしてもう一つ。それは魔法だ。

魔術とは言葉を介し、4次元世界の力をこの世界に召喚し、事象を放つ。

魔法は言霊とは違い、精神面ではなく、事象として体現する。

そして、この魔術には媒介が必要だ。

その媒介が猫である。猫には4次元世界に繋がる扉を生成することが出来る。それが意識的か無意識的は分からないが、そういうものだった。

そして、猫をパートナーに添え、魔術を操りしものを裏世界では「魔術師」と呼んでいた。


「それで、今回の任務は…」

魔術師は基本的に国から秘匿される。コレが公になれば世界の前提が覆るからだ。

世界で起きる未解決事件の多くは魔術師が関わっているとされている。

今回、私が受ける事件も国からの依頼だった。

この事件の詳細としては、最近、外傷がないにも関わらず、夜の路地裏で心臓だけが亡くなる変死体が多発しているというものだった。

恐らくこれも魔術師が介入しているものだろうことは明白だった。

というのも、言霊は関係ないが、魔術には夜にしか作用しないというものがあるからだった。

日光は魔術にとって天敵だ。

というのも、猫が4次元世界へパスをつなげられるのが夜、または日の光が当たらない場所のみだからだった。


といってもどうやって解決するか…

私はまず、魔術の痕跡をたどる。

魔術の痕跡をたどることでどのような魔法を使ったのか、どういうやつが犯人かをたどることも出来るのだ。

「これは…」

しかし、今回調べていく中で明らかになったことは、魔術の痕跡が得られなかったのだ。いや、4次元世界へのパスが繋がっているのは感じられる。

だとすると、

「猫の単独犯?」

そんな前例はあり得ないのだが、もしそうだとするなら…猫の上位存在、私たちの分からない言語で魔術を使っている可能性…いや、魔術をも超越した何かを使用している可能性があるのだ。

4次元世界へのパスをつなげることによって、この世界の科学と結びつき、火や水、風…大地、等に変化を与えることが出来る。

もしも、心臓そのものを4次元世界へと送るというもしもがあればどうしようもなかった。

「これは、私には解決できない問題じゃないか?」

私は頭を悩ませる。応援を呼んだ方がいいよな…

そして、考えることに集中していた私は魔術が発動されていることにきづくのが遅れた。

「!?…ぐっ」

とっさの判断で後ろへ引いた。それが幸いした。私の左手に穴が開いていた。…元々心臓のあった場所に。

私は辺りを見回し、発見する。…やはりそれは猫だった。

猫…いや、厳密に言うと猫又と呼ばれるようなもので、尻尾は2つあり、純白の毛並みをしており、夜の世界にはにあわないような、わざわざ紛れる必要もないといわんばかりの絶対王者のような姿をしていた。

私は魔法を行使しようとする。しかし、肩に乗っているパートナーは身体を震わせ、パスを通すことが出来ず、自らに言霊をかけ、身体能力を底上げする。

「はぁ!」

私が殴りかかったところで猫又は軽々しくよける。

そしてその体躯から予想もつかないほどの蹴りを御見舞いされ、私は数メートル吹っ飛ぶ。

「がはっ!」

見るも無惨な姿になったところで、猫又は魔術を行使しようとする。

さすがにまずいと思った私はその猫又に無理だと分かっていても交渉しようと試みる。

「言葉が通じるとは思っていないが、質問させてもらおう。お前は何者だ。」

「…あぁ、お前ら人間は言葉を介さなければ意思は通じないのだったな。」

猫又は魔術を途中でやめ、話し合いに応じてきた。

まさか、通じるとは思わなかったし、それにその猫又は喋ったのだった。

「私は猫の王。いや、厳密にいうと4次元世界の住民だ。」

「な!?」

「私には使命がある。それは4次元世界の資源を潤沢にすることだ。」

「どういうことだ?」

「魔術師よ。お前達は遙か昔にした契約を覚えていないのだろう?せいぜい生きれて100年程度なのだからな。」

「…」

「簡潔に言うと、我らの世界に資源が渡ってこない。おぬしらはこちらから資源を得るだけで、与えてはない。等価交換がされていないのだ。」

「昔の住民はあなたと契約したというのですか?」

「あぁ、我らの世界にそなたらの心臓を分け与えることによって、魔術の知識と我らの世界とパスをつなげる権利を得るという契約をしたのだ。」

「つまり、」

「あぁ、契約に沿って我らは魔法適正の高い住民の心臓をもらい受けに来た。わざわざ下の世界に我が出向いてだ。」

「それは…」

その意味は、契約を維持するか。それとも破棄か。…あるいは王が出向くぐらいに4次元世界の資源が薄れていることを意味する。

「この世界の猫たちは我らの世界を知らないものも多い。その中にはパスがつなげられない猫も多々いる。…この世界に住む猫たちは時代とともに寿命すらも低くなってしまった。」

「…猫の王様。あなたはあとどのくらいの心臓が必要なのでしょうか。」

「そうだな。ざっと1000は必要だろう。」

「…1000」

1000…しかも魔力素養の高い人間の心臓が1000だ。

世界には約79億の人口がいる。しかし、魔術師となれるほどの魔術素養のある人は約2万ほどだ。そのなかには世界にとっての重要人物が大勢いるのだ。

「難しいですね…」

「魔術とは…いや、基本的に物事はノーリスクなことなんてないんだよ。残念なことにね。心臓は生命エネルギーの源だ。我らは我らの世界のためにその生命エネルギーを得たい…それだけなのだ。」

魔術を使えなくすれば4次元世界は保たれるのかも知れない。しかし、魔術とは世界にとって重要な役割をもたらす。…人は役に立つものは手放すことの出来ないものだ。

「もしも、これから…定期的に心臓を送れば、4次元世界が繁栄するのでしょうか。」

「…そのエネルギーが魔術よりも多ければな」

「ならば、契約を結びましょう。」

「また、破棄するのだろう?」

「いえ、これは人間とではなく、私が死ぬまでの契約です。」

「なるほどな。」

つまり、これは一種の先送り契約だった。私たちは私の契約が解消されるまでになんとかしなければいけないのだった。

「いいだろう。ただし、この契約が破られたとき、我は人の生命エネルギーを根こそぎ奪い取ることにしよう。それぐらいは妥当だろう?」

「ぅ…はい。もちろんです」

「ふふふ…期待しているにゃ。」

最後に愛嬌のある声とともに、猫の王は去って行った。

それ以来、連続怪死事件は起きなくなった。今回亡くなった人たちはやはり魔術素養のある人物達で、猫の王がやっていたことは明白だった。

この事件が解決したからと言って、状況は良くなったかと言われるとそうではない。私はこれから生命エネルギーの塊を送り続ける地獄の日々が始まるのだった。

私は魔術師。裏世界の住民であり、影に潜み、影のように任務をこなす。

私は今日も国のため、そして4次元世界のために力を振るう。


終わらせ方というか途中から路線がが全く分からず、すごい適当になってしまった。申し訳ございません。

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