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ベロニカちゃんを守りましょう!

ヴィオラ視点です。

「あ、ベロニカちゃんもう帰ってきてたんだ……ってどうしたの!?」


 私もそれほど長いこと外にいたわけじゃなかったけれど、ベロニカちゃんが大分前に帰ってきていたみたいでびっくりしました。そして私が部屋に入った瞬間ベロニカちゃんが今にも泣きそうな顔をして私の方を振り返ったので、わけがわからなかったけどとりあえずベロニカちゃんの所に行きました。


「どうしたの? 何があったの?」

「……ドロシアは、まだですの?」

「まだ帰ってきてないよ。ユリアちゃんはいるかな? 呼んでくる?」

「……ここに、いてほしいですわ」

「分かったよ」


 数分して帰ってきたドロシアを見て、ベロニカちゃんはとうとう泣き出してしまいました。私もドロシアちゃんもベロニカちゃんが泣いているところなんて見たことがなくて、びっくりしながらしばらくベロニカちゃんを宥めていると、やっと落ち着いてくれたベロニカちゃんが少しづつ話してくれました。

 なぜか、私たちがユリアちゃんたちに会いに来たことを知っていたこと、ベロニカちゃんの好みではないブランドの物をプレゼントするからと言って強く勧められたこと、そして‥‥‥


「婚約者がいることをちゃんと伝えたのに、『どうしたら、僕との未来を考えてくれるんですか?』『でもその方と結婚するかはまだ決まっていないでしょう? なら僕にもまだ可能性は残っているはずだ』って‥‥‥本当にごめんなさいね、見ていたのに気づいてあげられなくて‥‥‥」


 フィリア様はそう言って涙を流しながらベロニカちゃんを抱きしめていました。


「ベロニガぢゃん~ごべんで~」

「ユ、ユリア!? 落ち着いてくださいまし!」

「ユリアちゃん!?」


 な、なんかユリアちゃんがベロニカちゃん以上に大泣きをし始めたので、部屋の中が一気に騒がしくなってしまいました。落ち着いてください~!


「‥‥‥ねえベロニカ、エドワーズ様と連絡取れる?」

「ええ。でもいつも鳩で手紙を飛ばしているので少し時間がかかってしまいますわ‥‥‥」

「でもそれしかないのよね? 仕方がないし、今から飛ばせる?」

「いつでも大丈夫ですわ」


 ベロニカちゃんはエドワーズ様に迷惑を掛けることになってしまった謝罪と、できるだけ早くこちらに来てほしいという事を手紙に書き、鳩に括り付けて飛ばしました。


「エドワーズ様はお忙しいのに、迷惑を掛けてしまっただなんて……」


 ベロニカちゃんはとても落ち込んでいるようでした。


「大丈夫だよ、ベロニカちゃん。エドワーズ様ならきっと、心配はするけど怒ったりはしないから」

「でも……」

「ねえベロニカちゃん、知ってた? 私たち、よくベロニカちゃんとの惚気話聞いてたんだよ?」

「……え!?」

「よかったね、ベロニカちゃん。ちゃんと大事にされてて。聞いてた私たちの方もすごく嬉しかったよ」

「……ごめんなさい、ヴィオラやドロシアは辛いのに……」

「今はもう平気だよ、全然気にしてない。そんなことより、ベロニカちゃんが元気になれることの方がすごく大事だよ」

「ヴィオラ……うぅ……」

「ベ、ベロニカちゃん!? お、落ち着いて、ね?」


 また泣き出してしまったベロニカちゃんを、私は慌てながらも抱きしめて背中をさすりました。少しでも落ち着けるように。


「……なんだか、今日は恥ずかしいところを見せてばかりですわね」

「いいでしょ? だって私たち友達だもの! どんどん頼ってよ」


 ユリアちゃんがそうニッコリと笑って言いました。


「よし、皆であの……名前忘れちゃったけどあの人がベロニカに変な事しないように頑張ろう!」


 ……ユリアちゃん、名前だけはちゃんと覚えてあげて……。






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