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次の日の朝は……

ヴィオラ視点です。

「「「……」」」

「おはようございます!」

「おはよう、来ちゃった」

「おはようございます、会いたくて来てしまいました」


 ……朝起きて1階で朝食を頂いていると、いきなり昨日の男性3人が『アイリス荘』にやって来ました。


「今日は何か予定ありますか?」

「いいえ、特には」


 ユリアちゃんたちは今日もやることがあると言って朝早くから準備をしていました。私たちはユリアちゃんに会うことが目的だったので、今は確かに暇です。


「もしよければ、街を一緒に歩きませんか? お友達も一緒に」

「え?」

「見たところ、まだこの街に来てあまり経っていないですよね? この街を案内したくて」

「……いいですよ」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 えっと……フランさん? は文字通りキラキラした笑顔を浮かべました。


(なんだか、不思議な人ね……)


 今までこんなに表情を表に出す人なんていませんでしたし、その、何だか変な感じがしています。これは、何なのでしょうか……?


「そういえば、まだ名前を言っていなかったような……」

「あ、確かに……」

「私はヴィオラです。それと……」

「ドロシアよ」

「ベロニカと申します。遅れてしまい申し訳ありません」

「いえいえ。皆さん素敵なお名前ですね」

「ありがとうございます」


 というか、フランさんたちは私たちの名前も知らないまま告白したんですか……?


「なあちょっといいか……?」

「何ですか?」

「その……分かれないか?」

「はい?」

「ああ、要するにハミル、君はドロシアさんと2人になりたいと」

「うるさいなフラン。お前だってそうだろ」

「……仕方がないじゃないか」


 ……つまり、昨日会ったばかりですけどデ、デートをしたいと、いうことですか……? 私は構わないですけど、ベロニカちゃんは婚約者がいるし……。


「いいのではないですか? 是非そうしましょう」

「ベロニカちゃん?」

「ん? ヴィオラは嫌なんですの?」

「え? ううん、そうじゃないよ」

「……ありがとうございます!」


 ベロニカちゃん、婚約者のことを忘れた、とかないですよね? 何をしようとしているのでしょうか……?


「では、一度支度をしに部屋に戻りますわ」

「はい。僕たちはここで待っていても構いませんか?」

「どうぞ」

「行きましょう。ヴィオラ、ドロシア」


 部屋に戻るなり、ドロシアちゃんが静かに怒鳴りました。


「ベロニカ! あなたは何を考えているの!? 私たちならともかく、あなたには婚約者がいるでしょう!?」

「分かっているわ」

「分かってない! 自分で大丈夫だと思っていても、たまたま見た人が悪いように解釈したらどうするの!?」

「大丈夫よ、そのために呼んでおいたから」

「……? 誰を?」

「俺と、ユリアの姉さんだよ」

「!? ユリアのお姉様って……!」

「初めまして、いつも妹と仲良くしてくれてありがとう」

「なぜ、こんな所に……」

「それはどちらかと言うと私のセリフなのだけれど……まあ詳しいことが聞きたかったらユリアにでも聞いてみて頂戴」

「カイさんとフィリア様に少し離れた場所から見ていて頂こうと思いましたのよ」

「なるほど……」


 よかった、ベロニカちゃんがほとんど見ず知らずの人相手でレイモンド様たちのようになってしまうのでは?と思って心配しました。確かにそれなら安心ですね。


「じゃあ、そろそろ行きましょうか」






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