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ちょっと外に出てみましょうか。

 翌日、3人は宿屋の周辺の散策に行くと言って朝から出掛けていきました。

 案内しようかと思ったのですが、朝起きてすぐに部屋に突撃してきた人がいたのです。


「リア姉!」


 ドアを勢いよく開けたのは、アンナちゃんでした。ぜえぜえと息を切らしているアンナちゃんを見てとても驚いてしまいました。


「なんで来てるって教えてくれなかったのよ!?」

「え? あ、でもどこにいるか……」

「すごく寂しかったんだからね!? まあリリーの方が寂しかったみたいだけど」

「まあそれは分かるわね。そういえばリリーちゃんは一緒じゃないの?」

「まだ寝てるってさ」

「あらら」


 まだおねむでしたか。さすがリリーちゃんです。


「ねえねえリア姉、そこにいる人は誰? 前一緒にいたお兄さんはどうしたの?」

「この人はカイ。友達なの。ジークは今仕事でこっちに来れないんだよ」

「そうなんだ、大変なんだね大人って」

「そうだね……」

「……もしかして寂しいの? お兄さんがいないから」

「……まあ、ね。でも昨日友達が来てくれたからちょっと元気になったよ」

「そっか、よかった。じゃあ、あんまり長居してるとお母さんに怒られちゃうからそろそろ行くね」

「うん。ありがとうね」


 ふう、アンナちゃんと言いヴィオラたちと言い、私の周りの人は結構行動力がある人多いですね……。


「そういえばいたな、さっきの子」

「え? 何忘れてたの?」

「いやそうじゃないけど、ユリアがしばらく喋っててようやく分かった」

「忘れてたんじゃないの……」

「はいはいそんなことは置いといて。今日はどうするんだよ? 今日もやることとかほとんどないんだろう?」

「そうだね……あ、そうだ。ヴィオラちゃんたちを探そう」

「ん?」

「3人が何してるかなーって思って。後付けてみようよ」

「怒られても知らねえぞ」

「大丈夫よ、あの3人だし」


 一度カイを部屋から追い出して着替えた後、私たちはさっそく街に繰り出しました。


「俺行くって言ってねえんだけど……」


 私は何も聞こえませーん。


「……って、あれ?」


 私が宿屋を出て数分後、あっさりとそれらしき3人組を見かけました。


「どうした?」

「もうヴィオラたち見つかっちゃったよ」

「早いな」

「みんな周りと雰囲気が違うからね。すぐに分かっちゃったよ」

「その点お前は完全に周りに溶け込めるよな」

「……なんかちょっと失礼な感じの雰囲気を感じた気がしたのだけれど気のせいかしら?」

「ああ気のせいだよ」


 3人は、服装は確かに庶民の物を着ていますが、私とは違ってちゃんと貴族令嬢として育ってきているので雰囲気が貴族そのものなのです。それは服で隠れるようなものでもないですし、それが3人も集まれば……当然通行人だって彼女たちを見てしまいます。


「暇だからこの辺でゆっくりしようかな……ん?」

「あの人、誰だ? ユリアは知ってないのか?」

「私も知らない人だね。あ、まだ2人連れがいたのね」


 もう一度ヴィオラたちがいるところを見てみると、初めに3人に話しかけた人とは別の若い男性2人が新たに加わっていました。


「ねえカイ。何かあったらヴィオラたちのところに行ってくるかも」

「おう、気をつけてな」






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