ついに、対面しました。
「……ア……リアー……ユーリーアー!」
「んん……あれ、朝……?」
「やっと起きたか。寝惚けたこと言ってるんじゃないよ、もうお昼だよ」
「……え」
「あ、やっと起きたのねユリア。おはよう」
「おはよう、お姉様」
「まったく、フェリアは夜が明けてすぐぐらいに目を覚ましたのにさ。そんなに疲れてたのかい?」
「さあ……あ、カイは?」
「ここにいるし」
「おはよう」
「遅すぎるっつーの」
「はいはい」
あー正直まだ眠たいです。でもこれ以上寝てると主にカイが何をするか分からないので、仕方なーく起きることにしました。
「って、あれ? ここは……」
「ユリアがぐっすり寝てる間に、もうすぐそこまで来たよ。今は丁度休憩中だ」
「ありがとう、ヒルダ」
「それなら他の奴らに言ってくれ。まあほとんど出払ってしまっているんだが」
そのとき、外からヒルダを呼ぶ声が聞こえてきました。
「おっと、帰ってきたか」
「フィーリアー!」
「あら、なんか呼ばれたわね」
「……?」
おや? これはもしかして……?
「……お姉様?」
「あ、そうだ! ユリアに紹介しないとね。エディ~」
「よっと……呼んだ? フィー」
ひょいっと馬車に乗ってきて私の目の前に現れたのは、薄い茶髪の青年でした。
「あ! もしかして妹さん?」
「ええ、ユリアって言うの。ユリア、この人はエディ。……言わなくても、ユリアなら分かるわよね?」
「もちろんですよ、お姉様。初めまして、妹のユリアです」
「こちらこそ初めまして。フィーの……こ、恋人の、エディです」
なんか、顔赤くないですか? お兄ちゃん(仮)結構可愛い系ですか。羨ましいですね~。
「僕のことは何でも好きなように呼んでください」
「……エディ、お兄様?」
「あ、そうか。そういえばそうだったね……」
あ、忘れてました。人前でお姉様とかお兄様とか言ったら一発で訳アリって思われてしまいますね……。
「ねえねえユリア、お姉ちゃんって呼んで」
「え?」
「外でお姉様、なんて言えないでしょう? だからお姉ちゃんって呼んで」
「……お姉ちゃん?」
「はわぁ……妹が可愛すぎて辛いわヒルダ」
「はいはいよかったね」
「ひどいわね~まあいいけど。そしたらエディはお兄ちゃんかしら?」
「エディ兄さん?」
「違うわよ、お兄ちゃん」
「……エディお兄ちゃん」
「……ちょっとエディ、しっかりしてよ。ユリアが可愛いのは分かるし当たり前だけど倒れないで」
「お、お姉さ……お姉ちゃん?」
「僕も可愛い妹がほしかったなぁ……僕兄弟とかいないし」
「大丈夫、これからはユリアが妹だから」
……私はどうすればいいんでしょうかね。
「まあいつもこんな感じなんだけど、これからよろしくね、ユリアちゃん」
「こちらこそよろしく……ね、エディお兄ちゃん」
すると、エディお兄ちゃんに頭をポンポンされました。
「そうだ、今度フィリアの話をしてあげるよ」
「本当? 聞きたい」
「ちょっと、ユリアに何聞かせる気なの」
「秘密だな」
「も~。ユリア、あんまり信用しちゃダメよ、嘘かもしれないし」
「大丈夫だ、本当のことしか言わないよ」
「それはそれで怖いのだけれど……」
馴れ初めとか是非とも聞きたいですね~。
「はぁ……やっぱり会わせるべきじゃなかったわ。私のユリアが……」
「お姉ちゃん……」
「はいはい。よし、2人とも、ちょっとこっち来て」
「……?」
「何? 急に……え?」
「ぎゅ~」
なぜか私は、お姉様とまとめて抱きしめられてしまいました。
「ていうか2人とも細すぎない? 消えちゃいそうで怖いんだけど」
「私はともかくユリアは確かに細いわよね。ちゃんと食べてる?」
「食べてるよ?」
「何でなんだろうね~」
休憩が終わって街に入るまで、3人でのんびりお喋りをしていました。
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