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外に出……たかったです。

 次の日、わたしはカイと街に出ました。否、出ようとしました。


「……ねえカイ、今何時?」

「んあ? えっと……3時だな」

「私朝から散策に行くって言ってたよね?」

「そんな気がするようなしないような」

「言ってたでしょ! なのにあなたときたら、起きないどころか起きて準備をしようとしてた私をずっと抱き枕にしてたじゃない!」

「丁度いい抱き心地だったんだから仕方がないじゃないか」

「どこが仕方がないのよ……」

「まあそんなピリピリすんなって」

「誰のせいだと!」

「まあまあ」


 ……そう、このアホ精霊のせいで強制2度寝となり、結局アホが起きたのがついさっきだったのです。

 あの後カイはずっと私を抱き枕にしていたようで、朝早くに私の目が覚めても起きれなかったのは完全にこいつのせいです。しかも何気に力が強くて、抜け出すこともできませんでした。

 だったら起こそうと思ってほっぺたをつねったりいろいろしてみたのですが全然効かず、最終的に2度寝……という流れでした。いえ、2度寝で済んだでしょうか? 私の記憶が変になってなかったら確か5度寝ぐらいした気が……。


「とにかく、明日こそはちゃんと外に行くんだからね!」

「今日はもういいのか?」

「どっかの誰かのせいで時間がなくなってきちゃったからね」

「誰だ? そんなことをした奴は」

「あなたに決まってるじゃない」

「バレた」

「元から分かってるわよ」


 正直街中の散策に行けなかったのは残念でしたが、遅くに外を歩いてまた前みたいに変な人に絡まれたりしたら嫌ですし、流石に今回はジークも助けに来てくれることはないですから、ここは大人しくしておきましょう。


「そういえば、ユリア」

「何?」

「腹減ったな」

「それも完全にあなたのせいね」


 ご飯食べに行こうと思ったらこれまたカイに捕まったままで行けなかったんです。カイはともかく私は朝からずっと起きていたのでめっちゃお腹が空いています。


「ここの宿屋は食堂ねえから、適当にどっかに食べに行こうぜ」

「うん」


 ああ、こんなときにふと『アイリス荘』を思い出してしまいます。懐かしいなあ、会いたいなあ。特に行くところもないしまたあの街に行ってみるのもいいかもしれませんね。


「ねえカイ、どこかでまた西の国に行きたい」

「ああ、家出したときにいた街か?」

「ええ。もう一度あの街の人たちに会いたくなってきたの」

「分かった。ここの次にでも行くか?」

「え? いいの?ここからだと結構遠いけど」

「俺はぶっちゃけ暇だからな。ユリアが行きたいならついて行くぜ」

「ありがとう。助かるわ」


 この街を見終わったらすぐにでも行きましょう。早くリリーちゃんに会いたいです! あとイザベラさんたちにも。






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