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みんなとお話をしましょう。

 次の日から私は、クラスの令嬢方と仲良くなれるように頑張りました。幸いにも乙女ゲームの2期の攻略対象の婚約者……つまり私と同じ『悪役令嬢』はみんな私とクラスが同じでした。それ以外の令嬢も巻き込んでお昼を一緒に食べたり、休み時間にお喋りをしているうちにだんだん仲良くなることができました。


「おはよう、ユリアさん」


 朝教室に入った私に一番に挨拶をしてくれる黒髪ストレートの美少女はヴィオラです。元からそれなりに話していたので、仲良くなるのに時間はかかりませんでした。たれ目でおっとりしている女の子で、一言でいうと癒し系の子です。エリック・レイモンド公爵子息の婚約者ですが、全攻略対象の中で一番初めにジャスミンに落とされてしまいました……絶対にヴィオラの方が可愛くていい子なのに、いえ、ジャスミン程度に引っかかる男性にヴィオラは渡しません!


「ヴィオラ、おはよう。今日はどうしたの? なんだか疲れているように見えるのだけれど……まさかまた?」


 ヴィオラは悲しそうに黙ってうなずきました。あのバk……レイモンド公爵子息はまたジャスミンと逢引きしていたんですか!? しかもヴィオラが気付くような場所で!? 信じられません。


「おはよ~って、朝からどうしたの2人とも」

「ジェシカ! 聞いて……って、流石にこんなところで話し込むのはよくないわね。ちょっと移動しましょう」


 ジェシカはミーナ辺境伯の令嬢で、赤髪を常に束ねている釣り目の美少女……というより美女ですです。ギルバード・オスカー伯爵子息の婚約者なのですが、レイモンド公爵子息の次にターゲットにされ、やはり落とされてしまいました。ですがジェシカとオスカー伯爵子息はあまり仲がいいとは言い難かったようで、あえてそのままにしているような節があります。頼れる姉のような雰囲気で、みんなから好かれています。あ、オスカー伯爵子息以外で、ですかね。


「なあユリア、もしかしてまた例の件か?」

「ええ、そうなの」

「だったらドロシアとベロニカも連れてきた方がいいのではないのか?」

「あ、そうね。2人はもう来ているのかしら?」

「さっき図書室にいたよ。私が呼んで来るから先にいつもの場所に行って待っていてくれ」

「分かった」


 私はヴィオラと一緒に2階の空き教室に来ました。前にジークと話をしたところのすぐ隣です。

 ドロシアはサーランド侯爵令嬢で、ティルス・ロバート伯爵子息の婚約者です。一見大人しいのですがときどきとても毒舌になる女の子です。ですが彼女の話すことは分かりやすいので、ドロシアのことを毒舌だからと嫌う人はいません。多分。

 ロバート伯爵子息とは普通の婚約者として関係を築いていたようです。ですがここ2、3日ジャスミンが周りにウロチョロし始めているようで、ドロシアが少し落ち込んでいます……とても優しい子なので人1倍傷ついたのでしょう。何とか我慢していますがロバート伯爵子息には張り手の1つぐらいお見舞いしてやりたいです。いや落とされた方々全員ですね。

 ベロニカはクロフォード公爵令嬢で、当主はこの国の宰相です。彼女の婚約者はエドワーズ・フリント侯爵子息なのですが、この方は少し変わっていらっしゃるようで、私の勘でしかないのですが彼は大丈夫な気がするのです。とはいっても、まだジャスミンが接触していないようなので何とも言えませんが。

 ベロニカは流石公爵令嬢というような令嬢で、非の打ち所がないとは正にこのことだと言いたくなる人です。ですが私たち友達とお喋りをするときは可愛らしい女の子の顔になるので、ギャップで悶えます。


「ユリア、連れてきたよ」

「ユリアさん、またヴィオラさんの婚約者が誑かされてたって本当なの?」

「ドロシアさん、お話は中に入ってからに致しましょう?」


 おっと、振り返っている間に3人が来たようです。


「いきなりでごめんなさい。でもすぐにみんなと話をしたくて」

「そのことなんだが、私もギルバードについて話をしたいんだ」

「ジェシカさんも? 奇遇ね、うちのティルスも最近おかしくて」


 なんと5人中3人が同じタイミングで……まあ丁度いいと思って、みんなでたくさん話し合いをしましょうか。


「じゃあ、まずは私から」





 

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