《最終章》???→終わり
「・・・ぅじ」
遠くで誰かが呼ぶ声が聞こえる。
「・り・ぅじ・・・」
その声が母の声だと理解するまで時間が掛かったのは、何故かここ数日聞いてた様な若い母の声では無かったから仕方ないことかも知れない。
俺はふっと目を開けた。
「あぁ・・・隆司・・・!良かった・・・っ!」
俺の目の前で泣いている母は、俺が高校入って中々会わなかった頃より老けている母だった。
俺は声を出そうとしたが声が出ず、口元に違和感を感じ手を顔に近づけようとしたら腕に何本も管が繋がっていた。
全身が熱い。
「母さん、ナースコールしないとだ」
父がそう母に言うと母は急いでナースコールを押した。
どうやら俺は四年間もの間意識を戻さなかったらしい。
※
気付けば十九歳になっており、しかも四年間も寝ていた反動でとにかくリハビリが辛かった。
それでも、俺は精一杯頑張った。
あの夢の様な四日間だったとはいえ、俺は彼女にもう一度出会えた。
そして今度はちゃんと逃げ出さずに、ちゃんと思いを伝えられた。
あの少女は、消えてしまった。
けれど、古典的かもしれないがずっと俺の胸の中に生きている。
それを糧に俺は生きていく。
俺は病院のベッドの上でそう決意していた時、個室の扉が開いた。
そうして現れたのは
「りゅーじ君!!」
※