入学したのは暗殺学校でした
4月。試験に受かり、無事僕は高校生になった。
・・・だけど、早々に高校生活がピンチです。
「おい、お前!わざとぶつかってきただろ!」
「あー!りゅーさん骨折れてるじゃないっすか!!」
「お前、慰謝料払えよ!10万!!」
入学式に向かおうと体育館に歩いていたら、不良に絡まれた。
しかも、結構テンプレな。
助けを求めようと周りを見渡してみるが、もうほとんどの人が体育館に向かっており、人は全くいなかった。
このままだと、高校生活を不良のパシリとして終わらせてしまうことになる。
どうしたらいいものか・・・
と悩んでいたら、
「あー!君たち新入生?もうすぐチャイムが鳴るから、早く教室に入って!」
と声が聞こえた。
見ると、ぴょこぴょこと跳ねながら「こっちだよー!」と大声を出してるちっちゃい先輩?がいた。
「ちっ・・・おいお前!覚えとけよ!!」
「あ!待って下さいりゅーさん!!」
先輩に見られたらマズイと思ったのか、不良達は昇降口の方へ走って行ってしまった。
「ありがとうございます。先輩・・・あれ?」
さっきの先輩にお礼を言おうとして、僕は先輩がいないのに気がついた。
どこに行ったのかキョロキョロ見回して見たがいない。探してるうちに、チャイムがなってしまった。
いつか会ったらお礼を言おう。
そう思って僕は昇降口に向かって走った。
ここ、仁讃高校は国立高校であるにも関わらず成績を問わずに入学する事が出来る。卒業資格も技術が熟練度に達しているかであり、しかも卒業後の進路も保証してくれるというおまけ付きだ。
であるにも関わらず、倍率は低い。
それは全寮制であり、なおかつ学校見学が許されていなかったからだ。
しかし、僕にとってはとても好都合な条件だ。
早く技術を身につけて卒業して、働きたい。
そして母親(あの人)から離れるんだ。
そんな思いを胸に僕・・・更科 康太はこれから始まる高校生活に胸を踊らせてた。
・・・が、
「暗殺について学ぶ学校なんて、聞いてない!!」
バン!と机を叩き、思わず叫んでしまった。
皆の注目がこちらを向くが気にしない。
そんな中、先生は冷静に
「更科、席につきなさい。」
と言ってくる。
しかし、僕は止まらない。いや、止まれない。
「ここって日本ですよね!?殺人は許されてないんですよ!!なのに、あなた達は僕達に人を殺せというんですか!!」
そんなの小説だけの話にして欲しい。
その言葉を飲み込み、僕は教室を飛び出した。
明日から20時に予約投稿をしてみたいと思います。