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VAMPIRE KILLING  作者: 冷麺
序章『朝霧舞邂逅篇』
1/27

00:【OPENIG】

 今から果ても無く遠い過去に何者かが世界を生み出した。


 次に、世界に火と水、大地と大空、光と闇、生と死を生み出した。


 生まれたての惑星(ほし)で、邪悪なる神たちの戦が巻き起こった。


 しかし、その戦いは三人の古き者たちと《絶望と希望の函》によって終結する。


 そして最後に、《彼ら》は惑星(ほし)の生命を生み出した――。


 古き者たちが生み出した生命は進化と絶滅を繰り返し、長い年月をかけて発展していった。しかし、それは世界の誕生までの時間に比べたら遥かに短いものであった様である。

 だが、そんな短い時間の中で、更に短い時間で進化を遂げた存在が居た。


 人類である。


 人類は高い知能と理性を持ち、独自の文化と文明を拡大させ、やがて地球の大半を支配した。繰り返される食物連鎖の中で頂点に立った人類。故に、彼らは自らの思想の違いなどから同じ種族の中で幾度も争いを続けた。まるでゴミの様に散る命が多くあった――。


 だが――。

 いつしか、人類は知らぬうちに脅かされていた。食物連鎖の頂点に立ったはずの自分達をエサにする存在に。

 人の世に身を潜め、人を襲い、血を喰らう亜人。


 『今すぐにでもお前の首を斬ることができる』

 『さあ、早くあなたのその血を、吸わせて頂戴?』

 『滾る戦いを、この我に……!』

 『お前ら全員燃やし尽くしてやるぜ』

 『これこそが世界の檻を壊すやり方なんだよ』

 『さあ、全てを始まりに導こうではないか』


 ――吸血鬼(ヴァンパイア)に。

  

 勿論、人類はそれを見過ごしてはいなかった。様々な試行錯誤を繰り返し、吸血鬼に立ち向かう術を身に付けた。力を身に付けた彼らは自らをこう名乗った。

 血を喰らう鬼共を祓う人間。


 『君達は一体――何処からやって来たんだ?』

 『人類(わたしたち)吸血鬼(おまえら)の餌なんかじゃない』

 『人を何人も殺したその罪――地獄で払いなさい』

 『――すまねえな、お前ら……』

 『俺達のやって来た事って何だったんだよ』

 『私はいまここで……全て終わらせる』


 ――血鬼祓(バルトツィスト)と。


 均衡する吸血鬼と血鬼祓の力。一進一退を続ける互いの戦力。それは長きに渡る、まるで永遠に続くような聖戦を意味していた……。


 『殺戮』の名を冠した始まりの幻想(ものがたり)


 

 

 『VAMPIRE KILLING』




 これは終わりなき聖戦に身を投じた、数多の命達の物語である。


 

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