人格<パーツ>
最近思った。自分は本当に「自分」を理解できているのか、と。
この前、頭痛がしたので病院に行った。そしたら睡眠不足だと言われた。
自分には全く分からなかった。確かに眠気はあったが、大したことではないと思っていた。
何故分からなかったのだろうと考えた。そしたら、別のものが見えた。
「こんなところに、ホクロなんてあったっけ?」
いつの間にか、腕にいくつかホクロができていた。気づかなかった。
自分のことなのに、何故分からなかったのか。
それは自分には管轄外なのだと、悟った。
人間は、自分の意思では制御できない部分が多い。
欲望。その中でも、食欲、睡眠欲は絶対に抗えない。尿意や排便だってそうだろう。
寝ている間に夢を見ることも、見たくて見るようなものではないだろう。
体毛は知らず知らずの内に生えている。
身に覚えの無かった小さな擦り傷には、きちんとかさぶたができていた。
自分の中に、違う自分を見つけた。
そう思うと自分は、「自分」を形成する上での一つの人格<パーツ>なのだと、理解した。
つまり、自分は一つだけだと、起動することすら叶わない。
それぞれの役割を持った自分が集まって、初めて「自分」ができる。
自分自身との共存。理解すべきなのではないだろうか。