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第1話

俺は青山(あおやま) 駿(しゅん) 17歳 

普通の高校に通うちょっぴりオタクな高校生。


俺は不幸だ。

何がって?幼少期に父親は不倫をして、まともに家に帰ってくることは少なかった。

帰ってきてもいつも酒の匂いをまといながら理不尽に暴力をふるう。

昔は優しかった母親はそんな父親に疲れて精神を病んでしまった。

病むだけならまだしも、何か少しでも気に食わないことがあれば父親同様に俺にこぶしを振り上げた。


学校でも体はいつも傷だらけで服も小汚い。こんな俺に近寄ろうという人間は誰1人いなかった。

外見だけではない。性格も歪んでいれば雰囲気も暗い。何ひとつ良いところなどないことを自分自身で把握していた。


だが無視されるだけではなかった。小学生の頃は悪ふざけの延長ガキ大将に殴るけるなどされたり中学校では直接的ないじめはされなかったもののよく物がなくなったり。いじめの対象になりやすかった。


周りの人間たちの楽しそうにする姿を見てはなぜ自分はこんなにもつらい思いをしなければならないのだろうか俺が何をしたんだと絶望する時期もあった。

自分の居場所はここには・・・いや何処にもなくて何をしようとしてもうまくいかなくて。


だんだんと生きる理由を見失いながらも死ぬ勇気などもなくただただ生き続けた。

そんな俺にも唯一といえる趣味はあった。

漫画や小説だ。どうにもならない自分の状況から現実逃避ができる物語の中に入り込むことでその瞬間だけは嫌なこともすべて忘れて純粋に楽しむことができた。


要は陰キャでぼっちでいじめられっ子なオタク。それがこの世界での俺の立ち位置。


そして今日もただ家から近いからという理由だけで通ってきた高校に向かう。


「今日は何がなくなっているか・・・」


ため息をつきながら家を出る。

何も考えずに歩いていると元気に笑いながら横断歩道を渡る小学生達が目に入った。

そんな小学生たちに向かってトラックが減速せずに進んでくる。


おかしいと思いながらその時にはすでに体が動いていた。


「危ないっっ!!」


小学生たちを突き飛ばしたのと同時に時が止まったように感じた。

これが世に聞く走馬灯なのだと理解した。


あ、これ死んだなと思いつつ今までの過去を振り返った。


どうしようもない両親。

白い目で見てくるクラスメイト、担任教師。

高校に入っても周りの人間の見る目が怖く友人もできなかった人生。


正直自分がこんなことが出来るなんてこれっぽっちも思わなかったし、自分の行動に自分でも驚いている所だ。


それでもただ無気力に生きる自分が人のために死ねるならまだよかったと思った。

てかこれいつまで続くんだ?と思っていたら気が付くと何もない空間に立っていた。


「あ、死後の世界ってこんな感じなんだ・・・」


そうふと声を漏らす。


あたりを見渡すと一面真っ白な世界でなにも見当たらない。


「ほんとに何もないんだな・・・これずっとこのままなのかな」


簡単に現実逃避ができるラノベやアニメが俺の中での唯一の趣味だったこともあり少しだけ異世界転生とかの可能性も期待したが、何も起こらない。

なぜか急に眠気のようなものに襲われ俺はそのまま目を閉じ意識を手放した。


どれくらいの時がたっただろうか目を開くとそこは先ほどまでの白い空間ではなく石造りの建物が並ぶ裏路地に倒れていた。


「え!?ここどこ?」


そんな間抜けな声を出しながらもしかして異世界に来てしまったのではないかと考え人の気配がする表通りに出たのもつかの間周りの人達は奇怪なものを見る目でこちらを見てくる。

それと同時にあわただしく衛兵がはっとしたような表情でこちらに駆け寄ってきたかと思えば、何の前触れもなく俺の体を地面に押さえつけてくる。


「ぐへぇっ!!」


いきなりのことでなぜ自分が取り押さえられたのか理解できずただただ押さえつけられたことによる痛みに悶えていると、


「貴様ッ!公衆の面前で何を考えている!」


と衛兵の一人が叫ぶ。

今更ながら自分の状況を改めて確認すると、

そう。全裸だったのだ。


そんな自分の状態に俺自身一番驚きつつ、


「こういうのってさすがに服は着せてくれるでしょうがぁ!!!」


「とりあえず連行するぞ」


そう衛兵の一人が声をかけるともう一人の衛兵もコクッとうなずき俺の体を持ち上げた。

そうして俺の異世界生活の一日目が幕を開けたのである。


まず言語は少なくとも俺は日本語として聞こえるし、話すときも日本語で伝わることが分かった。


そして俺はそのまま牢屋に投獄されるのであった。


「何故街中であんな格好を?」


やましいことなどなかったがいきなりの展開に俯きながら答える。


「いや、気が付いたらあそこにいて気が付いたら裸だったんですよ」


ふと顔をあげると、異形の何かを見るような目で自分を見る衛兵たち。

完全に変態のソレを見ている目だった。


「いや待っ・・・」


そう言いかけたところだったが、


「こんな変態は街に出すことなどできるわけがない!」


「ちょ、ほんとに待って!いやほんとにただの変態じゃないんだ!」


そう弁解しようとしたのだが、軽蔑のまなざしを向けてきている。


「頭がおかしいのかただただ変態なのかどちらにしてもお前は連行する!大人しくしろ」


無慈悲に俺の手首には手錠が掛けられる。



―――――そうして俺はこの世界に来て早数分で詰むのであった。



衛兵に牢獄に連れてこられるとぼろぼろの服を着させられそのまま牢屋に入らされる。


「この変態め中で反省でもするんだな」


そう言いながら衛兵は遠ざかっていく。

鉄格子に急いで駆け寄り弁明しようとしたがすでに衛兵はいなかった。

放心していると、後ろから声を掛けられる。


「おう新入り俺はガレスっつーんだが何してこんなところにぶち込まれたんだ?ちなみに俺は窃盗だ食べるもんがなくて仕方なくなよろしくな」


そう言いながら野太い声でガハハと笑う。

どんな奴かと思い振り向くといかにも悪人顔な強面な奴がいた。決して窃盗などではなく何人か人くらい殺していそうな顔つきだった。


「窃盗!?殺人とか強姦とかじゃなくて?」


口に出してから失礼なことを言ってしまたことに気が付きどうにかされないか冷や汗をかく。だがその不安とは裏腹に


「おいおい人殺しとは失礼だなぁ流石にそんなこたしねぇよ。んで兄ちゃんずいぶん若いように見えるけど何したんだ?」


と陽気に話しかけてくる。前世のことを話すと面倒になりそうだったためこの世界に来てからのことを話すと


「ガハハハハハハハッッッッッッヒーーーーーッッヒッヒッヒそいつは傑作だなぁ!俺も間近で見てみたかったぜ」


と言いながらゲラゲラと笑っている。

イライラしながらこの後どうなるのかを聞くとどうやら今は魔物の影響で慢性的な人手不足のため俺たちのような軽犯罪者は街の警備隊の雑用や場合によっては戦力として駆り出されるとのことだった。


魔物・・・・そう魔物この単語で俺が元居た世界地球とはここが違う世界なのだと確信した。

そしてこの同室のガレスに聞いた話をまとめると。



この街はエベドルというらしい。

魔物の生息地の近くにある街で強い魔物が周囲にはうじゃうじゃといるらしい。

最近は特に魔物の活動が活発になってきており、兵も消耗していたり他国からの商人も減っており食料を含め物資が枯渇しているとのこと。

今後配属される場所では厳しい監視のもと武術や魔術などに適性がある人間は即戦力で徴兵され街の警備に当てられるらしい。


というのが今の状況でありこの世界のことらしい。

ガレスには俺が別の世界できたことはあえて話さないことにした。

今となっては前の世界での青山 駿を知るものは誰も居ない。

いじめられっ子でオタクで何をやってもうまくいかない。そんな俺はもういないのだ。


この世界で俺は後悔だらけだった前世をこの異世界でやり直すことにしたのだ。

読んでいただきありがとうございます。

気分で書いていくので更新ペースは速くないと思います。

書き溜めもしていないのですが最初のうちはなるべく早めに更新しようとは考えているので

何卒よろしくお願いいたします。


小説自体かいたことがほぼないので誤字脱字単語の誤用だったりがたくさんあると思います。

生暖かい目で見ていただければなと思いますのでよろしくお願いいたします。


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