5話 商人の目利き
カウンター越しに手を差し出されたレイチェルは、眼前にある黄褐色の掌へすぐ握手をし返すことはなかった。
一度、伺うようにツクエへ視線を向けてくる。これが奴隷として主人へ判断を仰ぐ仕草だと察すると、挙動不審にならないようツクエは頷く。
「レイチェルと申します。どうぞお見知り置きください、ご婦人様」
「アラ〜、初めて人間と握手しちゃったん。しかも丁寧で素直で可愛いわぁ〜!」
主人から許可が降りたことで、あくまで機械的な抑揚と動作で人間はクアンタムと挨拶を交わした。
さっきまで女王様みたいな態度をしていたはずなのに完璧に奴隷として振る舞っている。スイッチでも押して切り替わったみたいだ。
彼の態度自体、愛想がないものではあったがジャンク屋は気にせず上機嫌にはしゃいでいて、
「ようくお顔を見せて、レイちゃん!」
カウンターから身を乗り出し、まじまじと観察し始めた。台がなければそのまま頬擦りしてそうな勢い。
人間へ好奇の視線を注ぐのはなんら不自然ではないことだ。
モスグリーンの眼にチャーミングな笑顔を添え、早速愛称呼びの友好を露わにしながらであればむしろ上等かもしれない。
「おいおい、さっさと本題に入ろうぜ。こいつが気になるってのは分かるけどよ」
だが、二人の間に割り込んで強引に雰囲気を変える。
邪魔をするには忍びないが、それでもレイチェルを観察されるのはあまり愉快ではないことだ。
ジャンク屋とはこれから“商談”をする。人の横を通り過ぎるのとはワケが違う。
レイチェルに対し何か違和感を抱かせても、決して良い方向には転がらないはず、と思う。
「あらあら、ごめんなさい。初対面で失礼だったかしら」
「そんなに物珍しいかよ〜。ま、可愛い顔してるとは思うケドさ」
話を遮られたことをなんとも思っていなさそうに、ジャンク屋はレイチェルにも”ごめんなさいね“と声を掛けていた。
こういった交渉事は頭の働くリーダーに任せっきりだったけれど、こうも心労が掛かるものかとツクエは内心冷や汗ダラダラだった。
「お気になさらず。ツクエ様、私は控えておきますので何かあればお申し付けください」
レイチェルは一礼して、その場から一歩引く。注目を集めさせたくないって考えは一緒だ。
敬称付けで呼ばれるなどとむず痒く思いつつ、できればこれからの話し合いを任せたいところなんだが。そんなことをやった暁には、人間様からの冷たーい視線がやってくるだろう。
とにかく、この調子で話の流れを変えていかなければ。カウンターに腕を置きつつ自然に体勢を変えてみる。
前に出ることで相手の意識をこちらに向けさせるために。
「あー、なんだ。やっぱジャンク屋からしても珍しいか?」
「そりゃそうでしょぉ。ワタシでも人間の奴隷なんて初めて見るしぃ。ツクエちゃん、この子どうやって手に入れたの?相当高かったでしょう」
その試みのお陰か彼女が浮かべる微笑は今度はツクエへと向けられた。
猫の喉を鳴らしながら、ここまでどうやって儲けたのかと眉を上げてくる。
買ったのではなく輸送車からたまたま手に入れた、などと馬鹿正直に言うのあり得ない。それは絶対なし。
向けられた視線へクールな顔を保ちながら、なんとか怪しまれないようツクエは努める。
「ノーコメント。神様からの贈り物だと思ってくれ」
「大人しく従ってるのを見るに、思考制御も上手くいってるみたいだしぃ。……太っ腹な神様ねン?」
「あ〜。冬に備えて二回りもデカくなってたさ」
「あははっ、ワタシのところにも来て欲しいわ〜!」
クアンタムの冬毛へなぞらえたジョークはジャンク屋にウケたようで。くすくすと笑う声が聞こえ、緊張にぬかるんだ心が少し解けていく。
なんとか有耶無耶にできただろうか。このまま地形データのことを切り出そうと、ひとしきり一緒に微笑んで口を開いた時、
「ワタシ、この子の髪がようく手入れされてるの見て感激しちゃったのよね。――誰がしてくれたのか気になっちゃうわン」
ふと、不穏な空気が立ち込める。石裏からうぞうぞと、何かが這い出してくる感覚。
彼女のウィンク――開かれた片目が真っ直ぐツクエを見据え、そこに全く笑みがないことに気付いた。
割り込んだから観察をやめたのではなく、もう済んだからやらなくて良い。レイチェルの値踏みが終わったことで、今度はそれを手に入れた方へ意識を注ぎ始めたんじゃないか。
ツクエの尻尾が無意識に膨らむ。不味い。
そもそも、纏う服装ぐらいで品質全てを覆い隠せるわけが無いのだから。商人からすれば一瞥でレイチェルの価値を見出せるのかもしれない。
間違いない。会って数分で、本当に主人かどうか疑われている。ツクエが本当に奴隷を買ったのかと。
「それって貴方? 人間のヘアケアに詳しいだなんて感心しちゃうわね。自分の毛すら気にしてないのに」
「お、俺は。まぁ、なんだ。ワイルドさを意識してるんだよ。俺はな、あえてこの格好してんだ、あえて!」
カウンターを挟んで椅子に座り、足を組む姿。体は前屈みに、おねだりするような甘い声色でだというのに。
心境は今や肉食獣に飛び掛からんとされる被捕食動物の気分。
「人間のは〜、ほら! 長い髪してんだから、綺麗にしてやりてぇ思ってさ。折角、奴隷買ったんだしよ。ケチケチする意味ないしな」
「うふふ。レイちゃんったら大事にされてるのね」
スラムのジャンク屋。ツクエにとっては盗品を売り捌く卸先で、一種の仕事仲間だ。面識も浅くはない。
ツクエがただの、小物を盗んだりして日銭を稼ぐ小悪党に過ぎないと知っている。
――いっそ事情全部を言ってしまおうか。
だがスラムで他人を信頼することはとても愚かなことだ。協力し合う関係でも事情が違えば、掌を返すことなど日常茶飯事。
レイチェルの思考制御端末が電子ジャマーによって故障していることがバレれば、絶対に一悶着が起きる。
人間の奴隷が商人の目に止まったらどうなるか、どれぐらいの利用価値なのか。
ツクエには具体的に想像こそ出来ないものの碌なことにならないのは確かだった。
「…………」
レイチェルは口を開かない。ぼうっとしている様子は、この状況で馬耳東風しているようにも見える。
しかし手を後ろに組んでいて、背後周りズボンへ差した拳銃をいつでも抜けるような体勢を取っていた。
もし問題が起きた時、その銃口は一体どちらへと向かうのだろう。
地形データが手に入るまでは無駄に傷つけるつもりはないと言っていた。裏を返すと、傷つける必要がある際は加害の意思があるということだ。
この物が雑多に置かれた空間は身動きを取りづらい。
入り口のことを考えると逃げるのにも手間取る。レイチェルが荒事を起こそうとすればひとたまりもないだろう。
「ってか、話戻すんだがよ! 売って欲しいものがあるって話!」
「ああ、そういえばそうだったわね。なぁに?」
「たっ、単刀直入に言うぜ、俺にアノニマス北部の地形データを売って欲しい!」
乗り掛かった船。今更降りられないことを改めて思い知る。
勇気ではなく、恐怖から滑るように無理矢理ながら本題を切り出した。
「ふふ、一回深呼吸でもしたらどう?」
明らかな動揺を悟られ、ますますジャンク屋の集中が高まった気がしてお腹が痛くなる。
それでも、売買の話には乗っかってくれるようで。ツクエの心の内を測りながらも、背後にある所狭しと物が置かれた商品棚を漁っていた。
「それで、地形データ? ……あるにはあるけどぉ。渋いのを欲しがるわね。どこに行く気ぃ?」
「ほら、最近南の方も雰囲気やばいって話じゃねぇ、か。ここいらよか、北部の空気はどうだろうと思ってね。内乱に巻き込まれるのはゴメンだろ」
「ふぅん?」
即興でした作り話にしてはどうだろうか。鼠のクアンタムが言っていたことを交えて理由をでっち上げてみた。
アノニマスと人間の国は、北アメリカ大陸を半分にした折り目がちょうど国境となる。そこを挟んでの北が人間の国で、南がクアンタムの国だ。
北部に近づくと言うことは、国境前線に近づくと言うこと。戦争が終わった今でも近づくのはあまり良い考えではないとは思う。
正直、ツクエは南部の空気がおかしくなったとしても北部に行きたいだとは一片も思わない。しかし、この際嘘でも演技でもして売って貰わなきゃ困る。
「ここがニューメキシコだって忘れたのぉ? 言っとくけど、相当早いルート使っても数日は掛かるわよ。検問もあるだろうしぃ」
「へっ。インターステートでいくつもりはねぇよ。地形データで抜け道探しながらゆっくり走らぁ」
過去、合衆国が敷いた州を結ぶ高速道路はアノニマスが建国されてからも健在ではある。
レイチェルを乗せた輸送車が走っていた道路もインターステート・ハイウェイ(州間高速道路)の一部だった。
一般市民ならそこを走っていくのが当然だろうが、レイチェルは立場が違う。
検問所で端末のことを詳しく調べられてしまえばアウトだ。その為にアノニマスの地形を調べ、ルートを考えないといけないんだが。
「あら、そんな回りくどいことする意味ってなぁに?指名手配にでもなっちゃったのかしら」
奴隷ではないツクエには不要の話。ジャンク屋はそこを突っついてくる。
指名手配犯まがいは後ろに居るので、当たらずとも遠からずだ。
「べ、別にいいだろ!いつからここは相談所になったんだよ。金さえ払えりゃ良いんじゃねぇのか!」
店内でぎゃあぎゃあ騒がしいのは小汚い狼だけだ。
それは自覚しているんだが、カラカルが仕掛けてくる質問全部がこちらを疑う言葉に聞こえて心中穏やかじゃない。
こっちは爆弾一つ抱えててずっと気を張っているというのに。ずけずけと遠慮なく聞いてくることが全く恨めしい。
「ふふ、ただ心配しただけなのに。まぁ、ツクエちゃんにどんな考えがあるのか、なーんてどうでも良いんだけどねぇ。そんな怪しくされちゃ否が応でも気になっちゃうワ」
そんな焦りをカラカルは子供でも見ているみたいな眼差しが揶揄ってくる。気恥ずかしさでもごもごと口吻を動いてしまう。
柄になく口を尖らせ、どんな言い訳をすればいいか頭を悩ませたが。
「ハァーイこれアノニマスの地形データの入った地図ぅ。ほら、本物よん」
カウンター越しに唸っているお客人を傍らに、ジャンク屋はなにやらごそごそとおもむろに取り出したのは起動されたタブレット型の端末。
カウンター上に置き、画面の方が見えやすいように。
確かにそこには南部アノニマスと思われるマップが表示されていて、現在地がどこかまで表されていた。
一度瞬きをした後にジャンク屋が語ったことを理解し、ツクエは彼女の顔と地図端末を交互に顔を左右させ、
「えっと……つまり、売ってくれんのか!?」
「ふふ、欲しい?」
「え? ほ、欲しい!」
「――ダーメ。売らないワ」
テンションが上がり思わず握り拳を作って見せると、投げられたのは本当に意地悪い笑顔と断りの言葉だった。
念願の地形データはすぐにジャンク屋の手の内へと戻り、今はツクエの目の前でタブレットをひらひらとさせて扇みたいに煽いでいる。
足まで組んで、完全にこちらで遊んでるようだった。
ここ最近、こちらを虐めることが趣味な輩に会いすぎてる気がする。
「売らないんだったらなんで見せたんだよ!?」
「やん、勘違いしないで? “今は”、売らないというだけよん」
「はぁ?」
木の台を勢いよく叩きつけ抗議する声へ、煩わしさを滲ませた笑みで顔を寄せてきた。
「データの複製ならもう取ってる。売り渋る理由なんてないのよねぇ」
「だったらよぉ!」
「人の話は最後まで聞くものよ、坊や。正直、金さえ払ってくれればこっちは客の事情なんか気にしないんだけどぉ」
鋭く爪の尖れたしなやかな指が、ツクエの後ろを指し示す。
無表情で今までの様子をずっと眺めていたレイチェルへ彼女は目を細め、意味ありげに喉を鳴らした。
なんの感情も籠ってない死んだ目ですら輝かしく見えているのだろうか。レイチェルを見つめる彼女はとても楽しそうで。
「あなた、相当面白い子を連れてきたじゃない。あの子を見て認識を改めたの」
「な、なんだよ。人間の奴隷連れてる奴にゃ物は売らないのか?」
「あっははっ! 客を選り好みできるぐらい儲かってたらそれぐらいの好き勝手はしてもいいかもねン?」
あの友好的な態度全部が演技で裏ではボロクソに敵視していた可能性に怯える。食えない奴だと思っていたがここまでだったかと。
そんな疑念をジャンク屋は一笑に付しながら、太く丸い尻尾を揺らした。
「――そうね。一個の条件を飲んだら、これ売ってあげる」
「条件? ど、どんなのだよ……」
「そう硬くならないの。ほーんの些細な、頼み事をしたいだけ」
提案されたのは交換条件だ。それをこなせば売ってくれるという、簡単なもの。地図端末を手に入れるしかないツクエにとっては断りようがない。
だが自ずと警戒心が芽生える。こういった約束事の穴でハメるのは商人の十八番だ。
そういえば持ってたら極刑、使ったら極刑の電子ジャック装置だって黙って売りやがったし。
「ちょっとある場所まで届け物をして欲しいの。ワタシは物が増えちゃった整理したいしぃ、手が回らないのよう」
「おい……まさかやばいモンを運ばせる気じゃねぇだろうな。もしくは難癖つけてタダ働きさせるつもりだろ」
「や〜ん! ツクエちゃんたちにそんなこと……させたことはあるけどぉ。なら断る? 私は別にそれでもいいわよ」
「う……」
だが、ああだこうだ言っても選択肢はない。
裏市だとかジャンク屋以外にも非合法の物を売り捌いている輩は存在するが、オキシドの中で一番信用できるのはジャンク屋だ。
ただでさえ偽物、詐欺が横行しているスラムでまともに使える地形データを探すのは現実的じゃない。
ツクエにとってもアテがあると言って真っ先に赴いた先でもある。
何を運ばされるか分からないが、ここで断ることはダメだ。
「……わぁーったよ。マジで売ってくれんなら文句はねー。ただし後で難癖つけてやっぱりダメです、ってなったらマジで暴れるからな!」
多分、俺じゃなくてレイチェルが。
ああいうタイプは約束を破られると冷酷な殺人鬼並みに静かにキレる、そんな偏見を抱いていた。
ツクエの指差しを受け止め、これで契約成立と言わんばかりに彼女は笑う。
それでまた、何やらごそごそと漁り出して。
「今日はもう遅いし運ぶのは明日でいいわ。詳しいこともその時に話す。 そういえば、泊まる先のアテはあるのン?」
「あー。テキトーなモーテルに泊まるつもりだったけど……」
「あはは! それじゃレイちゃんは野宿よぅ!人間泊めてくれるところなんて無いわ! 良かったら上の部屋を貸すから、一部屋使いなさい」
ひょいっと一つのカードキーを渡してくる。恐らくは廃墟じみたアパートの鍵だろう。
本当は輸送車の方に戻るつもりだったが、人気のつかないところにある、あんなゴッテゴテした(稼働はしないけど)トルーパー積んでる輸送車にわざわざ近づくバカもいないだろうし。あまり心配しなくていいかもしれない。
ちらっとレイチェルの方を見ても、特に何か言いたげな様子はなかった。
ポーカーフェイスで分からないだけかもだが。
「だったら有り難く使わせてもらうぜ。 にしても、宿泊業までやってるとかマジで何でも屋だな。後から金でも取る気か?」
「やだ、不服ぅ。サービスよん。それに私は廃墟っていうジャンク品の有効活用してるだけよ? ジャンク屋らしいじゃない」
「へぇ環境に優しいこって。んじゃ、俺たちはこれで失礼するわ。また明日」
話は纏まったものとして体を起こす。振り返り、出口を目指せばレイチェルもジャンク屋に一礼だけして着いてくる。
レイチェル要望の地形データを手に入れることは出来なかったが、一応は入手の目処が立ったと喜んでおこう。この結果で叱られることはないはずだ。多分、おそらく、きっと。
こんなはちゃめちゃから抜け出せるのもまた遅くなってしまったが、これはしょうがないものとして呑み込んだ。
斜め後ろを共に歩くレイチェルは本当に口数が少なく、初印象の時に感じたロボットと全く違わない素振り。
本当に思考制御がエラーを起こしてるのか疑いそう。
普段の、と言うほど彼のことを知らないが。上から目線で、たまに子供らしい顔が本性だとすれば。
「(……奴隷のフリすんの、辛く無いのかね)」
人間の胸中などクアンタムには知る由もない。同情だとかも、していいのかどうかすら。
ただ感情のある生き物をここまで無機質にしてしまう奴隷化チップというものが末恐ろしいと思うだけだ。
「ああ、ツクエちゃん。一個言い忘れてたことがあったわ!」
狼と人間。ジャンク屋の店を出て行こうとする背中に、呼び止める声が掛けられる。
不意な言の葉に、階段へ片足を乗せたまま顔だけを後ろにやってツクエは返事をした。
「んだよ。ちゃんと朝に顔を出すつもりだぜ」
「そうじゃ無いわよ〜。部屋の中にベッドって一個しか無いから、どっちが使うかは決めときなさいって話。ああ、それとも一緒に寝るのん?」
「――へ?」
寝具の問題は、確かに大事だ。如何に貧民暮らしに慣れてても床で寝ることなどしたく無いし。
だが、ジャンク屋が放った言葉に。誰と同室で一夜を共にするのか認識する。
「人間のこと大事にしてるんでしょ? だったら余計なお世話だったわね〜」
「…………お〜、お。おう、そう、だな。えと、あっありがとよ」
ジャンク屋は言いたいことだけ言ってまたカウンター下へ潜って行った。
整理の方を続けるようで、挙動不審なツクエのことは眼中にないようだった。
今度こそ店内を出て階段を登って行くが。
「(……ベッドが足りない。どっちかは床で寝るよな。え、一緒に寝る? 一緒に。……人間と!?)」
ツクエの脳内はこのことでいっぱいだった。ぎこちない足取りのまま、目の前のこともよく見えず階段を登る。
この男か女か分からない、そもそも種族も違う奴と一夜を過ごすことに対して様々なシチュエーションが脳裏を駆け巡る。
「…………」
レイチェルの端正な顔は沈黙を守ったまま、何も変わらない。何を考えているのか察しようがなく、混乱は尻尾にまで広がって。
お互い、どっちがベッドを使うのか話し合いすらしないまま。上の方まで辿り着いてしまうのだった。




