バス停
バスを待つ
暮れ始めた空の下で
バスを待つ
次のバスまで11分
車もあまり通らぬ道を
ハクセキレイが横切っていく
尻尾をふりふり
こちらには目もくれず
看板に書かれたバスの行き先
わたしはその終点の地を知らない
いつも途中下車してしまうから
バスはどこへ向かうのか
畑はあるのか
川はあるのか
家はあるのか
名だけ知る 見知らぬ地を想う
わたしは知らぬことばかりだ
ひとりバス停に佇んで
どこにも行けぬ迷子のように
子どものように泣かずとも
途方に暮れることはできる
こんな時わたしはひどく寂しくなる
誰かとその時限りのお喋りをしたくなる
次のバスまであと7分