第1話・君との出会い
高校の卒業式。
私は告白しようと思っていた。
なぜならこの関係も終わってしまうから。
向こうは花の大学生。私はフリーター(バイトはしてる)
高校生活楽しかったよ。色々あった。
大好きな人といられた。
楽しい仲間が出来た。
ありふれた話。
それは高校3年の時に訪れた。
私は目的もなく生きていた。何となくギターは持っていたけど軽音部ではない。
そもそも軽音部がない。
ギターを始めたのも純粋な動機はない。
何となく。何となくだ。
ぶっちゃけるとけいおん観たから。
あれは面白い!最高だ!
まぁそんなんで始めたんだけど、バンドって意外とやってないよね。
バンド組めてる人って奇跡なんだなぁと思う。
そんな感じで自分で曲の練習とかはしてたらもう高校3年生ですよ。
進路?何それ美味しくない。
そんな大事な時期(私以外)に転校生。
春風が吹いた気がした。
まさに名前通り。
「あー変な時期の転校生、三善春風です。よろしくお願いします」
少し茶色いフワッとしたロングヘアーに少しタレ目。
ちょっと顔を赤らめてオドオドして一生懸命さが伝わってくる。
人付き合いとか苦手そう、守ってあげたくなるタイプか?
それが三善春風の第一印象。
可愛いなんて少ししか思ってないから。