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神具の印  作者: 零
第1章 一級霊跋師「我来斂徒」
15/18

第15話 修行(牙苑編)

今日は牙苑との修行の日だ。

牙苑も『さん』を抜いて話すのは正直無理と言いたい。けど、頑張ってみようと思う。

牙苑は防御の天才と言われ、斂徒も「神具の印の盾だ」と言うほど。すごく楽しみな修行でもある。

ただ、一つ心配なことがあって…



それは昨日の火衣斗との話の終わりのこと。


「あ!そういえば、明日は牙苑に修行つけてもらうんだよな」

「そうですよ。結構楽しみなんですよね」

「楽しみか〜。気持ちは分からなくもないが、その考え直しといた方がいいぞ」

「何か良くないことでもあるんですか?」

「それゃお前らも見ただろ?牙苑はめっちゃ喋らないんだよ。あれゃ寡黙ってレベルじゃあないね。とんでもなく口数がすくなく、一言で思ってることが通じるって信じてる」

「そこまでですか?流石に質問とかは答えてくれると思ってるんだけど」

「もしかして天才肌ということですか?」


歌奈が話に入ってきた。

ずっと聞いていたのだろう。


「天才?違うよ。牙苑は秀才だ。人一倍努力してあの力を身につけたんだ。あれは根っからのもんだよ」

「じゃあどうすれば…」

「方法は簡単だ。ただお前たちが言えるか言えないかが問題なんだよ」

「というと?」

「一言「もっと詳しくわかりやすく言ってくれ」って言えばいいんだよ。まぁ頑張れ」


そう言いながら火衣斗は笑った。



というわけなので今回の修行はとても不安である。

そして牙苑が来た。


「時間だ。始めるぞ」

「「は、はい!」」


修行はこのたった一言で始まった。

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

想像以上だった…

火衣斗に事前に聞いて相応の覚悟はできていると思っていた。でもそれは間違いだったみたいだ。

これまで牙苑が話した事を一旦まとめると


修行の内容を話す時…

「"結界"を張る。やってみろ」


アドバイスする時…

「もっと神力を練り上げろ」


「どんな風に練ればいいですか?」と歌奈が質問した時…

「硬くだ」


そして休憩に入る時…

「休め」


今までで1時間半くらいの時間は経っているけれど、ここまでで4回しか喋ってない。

いくらなんでもこれは度が超えている。

この休憩中になんとか対策を…


「時間だ。再開するぞ」

「えっ、はい!」

「わっわかりました!」


俺と歌奈は慌てて修行を再開する。

これはマズイ。この修行で得るものがだんだん少なくなってきている気がする。


「次は"結界"2つだ」


牙苑が新たな課題を出したらしい。2つ?


「2つというのは?どうすれば良いでしょうか?」


歌奈が即質問した。


「2つ同時だ」

「2つ同時に発動するために必要なことはありますか?」


律儀に歌奈が聞いている。

だが、この返答がとんでもなかった。


「集中だ」

「…え?」

「集中だ」

「………」


あまりにも言葉足らずだった。

これは…まずい予感がする。


「はぁ…」


歌奈の笑みが消えた!!

左目は光が眼鏡で反射していてどんな顔かわからない!!

あ、ヤバい…


「……せん」

「ん?なんだ」

「まったくわかりません!!」


歌奈の我慢ボルテージが限界を超えたらしい。

歌奈はいつも冷静に考えて話してるんだけど、たまに理不尽なことがあると爆発する。

久々に見たな…


「なんですか!?「集中だ」って意味不明ですよ!相手に合わせることを少しは覚えてください!今までどんなに理解してもらっていたのか知りませんけど私たちはわかりませんよ!もっと!詳しくっ!わかりやすく説明してくださいっ!!!」


うわぁ…言っちゃったぁ

歌奈が息を巻いて話した内容はなんというか…間違いはないけど…

牙苑は歌奈を無言で見ている。ちょっとこっちも見た。

そして、しばし思考したように見えた。


「そうか」

「は?」

「かっ歌奈。ストップストップ」

「む?良くないな。もう少し細かく話せるように努力しよう」

「そうなら、助かる」

「分かった。それでどこが伝わりにくかった?」

「あーえっと…」

「大丈夫だ。なんでも言ってくれ」

「光迅。私が言います」

「お、おう」


歌奈が有無を言わせぬ圧を放ってきた。

これは逆らってはいけない。


「じゃあ言いますよ」

「ああ」

「まずは———







———こんなところですかね」


歌奈によるお説教が終わった。

10分くらいあったんじゃないだろうか。


「分かった。感謝する。多かったが全てなおせるよう努力しよう」

「そうしてください。まぁ私も少し言い方が強かったところもあったかもしれません。ごめんなさい。言い過ぎだとは思ってないですけど」

「いや、今後とも是非指摘してくれ」

「素直ではありますよね」

「怒ったりしないんですか?」


思い切って聞いてみる。


「そんなことはしない。俺にはそれだけの責任がある」

「責任?」

「俺は盾だ。仲間の命が肩に乗っている。その命は預けてもらっている。だからだ」


つまり、仲間の命を自分に預けてもらっているから仲間の言うことはできるだけ聞く。という事だ。

それは、とても真似できない。


「命を守ってもらっての俺たちの方じゃ?」

「俺は斂徒に教わった。何故俺がこの師団の盾になったかだ。託されたんだ。『守る』ことしかできない俺に思いを夢を託してくれたんだ。俺は命を預かっている」

「なるほど…」


牙苑の思いが全て分かったなんてことはない。

でも、次からは牙苑の言いたいことがなんとなくわかりそうな気がした。

【データ】

輝橋 光迅

・体内神力のコントロール速度が早い

・上記に比べて体外神力のコントロール速度は人並みよりも遅い。本人の神力の性質によるものだと推測される。

・身体能力が高くさまざまな闘い方に適応できる模様。

・創造系は"召喚"のみ多少使用可能。

・結界は使用可能。未知数


泡舞 歌奈

・神力のコントロールに関しては常人並み。

・神力の量が多く、3時間無休で光纏のための神力を放出可能。

・頭脳を使う戦略的な戦闘が得意。

・創造系"設置"の適正を持つ。

・長詠唱系の術に適正あり。

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