表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チーターの待ち人  作者: 春ヶ勢はせる
第一章〜思い出の剣〜
16/43

フェアじゃない

短いです。

 是千代が帰った後のこと。


「めんどくさい人だったな」

「まぁ、悪い人ではないから」

「ん、しつこいだけ」


 二人から見ても是千代はしつこく見えるらしい。

 というかしつこい。


 それから少し落ち着くためにゆったりとした時間を過ごして。


 ゆったりとした時間の中、陽衣は口を開いた。


「それじゃあ、おれのことも話すよ」


 すると、刀輝が以外そうな顔をしてきた。


「なんだよ」

「個人的に、君は自分の情報を人に教えたがらないタイプだと思っていたからさ」

「まぁ、否定はしない」


 確かに陽衣は自分の情報を人に知られるのを嫌がっている。

 歴史書を見ると、名の知れ渡っているやつほど色んな人に狙われていたからだ。

 盗賊とか、王族とか、暗殺者とか。


 とはいえ、だ。


「人の事情を掘り下げておいて自分は嫌とかフェアじゃないだろ」

「なるほどね」


 教えてもらった以上、最低限こっちも教える。


「等価交換、ってやつだな」


 そう言うと、陽衣は事情を説明し始めた。

 一度死んで女奈に出会ったこと。

 女奈に全てに加護をもらうために、約二年半同居したこと。

 その礼をするために、この世界にいるはずの彼女を探さなくてはいけないこと。

 さすがに恥ずかしいところはところどころ省いたが。







〜園田是千代と?〜


「いやぁ〜、大したもんすね〜」

「ボクもまさかあそこまでとは思っていなかったよ〜」


 是千代の隣りにいるのは一人の少女。

 銀髪碧眼の可愛らしい見た目の少女だった。


「にしても、人が悪いっすよ〜。何も言わずに行ってこいなんて言うんだから」

「でも良い逸材だったでしょ?」

「とんでもなかったっすね」


 その言葉に少女は大きくうなずいた。


「あの子が認めた少年だからね。きっとこれからあの少年を中心に世界が回っていくから」

「ほう。その心は?」


 その言葉に、少女は少し迷ったような素振りを見せた。

 その迷っている様子に少し意外そうな顔をしながら是千代は言った。


「な〜に迷ってんすか。らしくもない」

「いや〜、かなりの大事だからね」

「今更っすよ。もっと前に気遣ってほしかったな〜」


 軽口を叩き合いながら話しているうちに、少女の迷いもなくなったようだ。


「はぁ、わかった。言うよ」

「そうこなくっちゃ」


 そう言うと、少女は少しトーンを落とした。


「生命の女神が転生した」

「ほう」

「しかもこの世界にね」

「女神の転生は代償が大きいのにですか?」

「そ」


 表面上は取り繕っているが、これはかなり大きい出来事だ。


 女神の転生、これは様々なものを意味する。

 すべての世界のバランスが崩れる程度にはやばい。


「その転生に彼が関わっていると?」

「まあこの目で見たからね」

「見ちゃいましたか〜」


 客観的に見なくてもやばいのは一目瞭然だ。

 にもかかわらず、少女の表情は明るかった。


「まあ、でもいいよ」

「そうすか」


 思い出すのは生命の女神の笑顔。


(あんな顔、できるなんてね)


 あの笑顔は今でも鮮明に覚えている。

 あの笑顔は心からの笑顔だった。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「とにかく、是千代はあの子達と生命の女神をどうやっても入学させること」

「それはまた難題ですね〜。特に陽衣サンなんて年齢的に無理っすよ〜」

「全世界のためだから」


 少女の表情は笑っていた。

 その笑みが消えないうちに。

 

 この難題はこなさなくてはならない。


 是千代は頭を下げる。


「仰せのままに。時の女神様」

やっぱりこういうキャラのこういう展開は似合いますね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ