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チーターの待ち人  作者: 春ヶ勢はせる
第一章〜思い出の剣〜
13/43

青髪ヒロイン

短いです。ようするにいつもどおりです。

 ファミレスのオムライスが好きだった。

 あのデミグラスソースがかかったオムライスってファミレスの特別感があっていいよな。

 そんな事を考えながら口に入れる。


 今、三人はファミレスにいる。

 理由は単純明快。


「悪いな。奢ってもらっちゃって」

「情報で返してもらうから大丈夫だよ」

「ん。チビから金取らない」

「そうすか」


 陽衣が話せるような状況じゃなかったからだ。

 腹ペコってきっついんだから。

 食欲は三大欲求のひとつなんだなと実感しつつも食を進める。


「ごちそうさま」


 一段落つくと、緊張と少しの警戒が混ざったような雰囲気になった。


(警戒してくるあたり、()()()()()()()()()()()


 実力を警戒されているのは二人の間に陽衣が割って入ったことが原因なのだが、満腹になったことで陽衣はそんなこと忘れている。


 しばらくすると、刀輝が尋ねた。


「君は何者なのかな?」

「いきなりそこからか〜」


 意外にもストレートに聴いてきた。


 それに対し凛心は、


「鍛錬とはいえ、私たちの組み手に割って入れるほどの実力。はっきり言って今のあなたは脅威以外の何者でもない」

「まぁ、そのとおりだな」


 刀輝と凛心の言うこともわかる。

 陽衣も反対の立場だったら疑っているから。


 しかし、陽衣は一つ考えていることがあった。


(もしも、刀輝が勇者で、しかも転移系の勇者ならば)


 ()()なのだ。

 陽衣がエキサイティングになった無いわけがない。


 転移系のすべての勇者には、共通しているものが一つある。

 その共通部分が刀輝にもあれば、


 ()()が通じるかもしれない。


()()()()()()()()()()


 それは一つの賭けだった。

 陽衣の思考を巡らせまくった果ての行動だった。


(転移系の勇者なら前世の記憶あるだろ。それに、転移系の主人公はだいたいオタクだからな)


 果たして。


 刀輝はわずかに驚いた表情をしたあと、しっかりと陽衣の目を見て言った。


「たしかにそのとおりだ。だが、人気は高いだろ?」


 その言葉に陽衣は笑みを浮かべた。


「お前とはうまくやっていけそうだ」


 その言葉に刀輝は少し呆けたあと、笑いだした。


「お互い様だよ」






 思っていたとおり、刀輝と凛心は前世で勇者と魔王だったんだそうだ。

 そして、刀輝の二個前の世界は陽衣と同じ世界だったようだ。


「三個も世界渡ってよく精神老けないな」

「一個一個の世界で生きる寿命が短かったからね」


 そういうことなんだそうだ。


「魔月は魔王の前は?」

「凛心と刀輝でいい。あったかもしれないしなかったかもしれない。少なくとも記憶はない」

「そうか。二重の意味で了解した」


 話によると、刀輝と凛心は一個前の世界で敵同士だったらしい。

 そして、


「お互いに平和を願って二人で転生したってわけなんだ」

「驚くほどのテンプレだな」


 失礼な自覚はあった。

 たとえテンプレでも二人は命がけで生きてきたのだろう。

 だが、刀輝は笑い、凛心ははてなを浮かべていた。


 その反応で、陽衣はこの二人への警戒心がなくなった。


「それにしても、よく信じたね」

「テンプレだからな」


 テンプレはすべてを解決する。


「さてと。僕たちの事情はほぼすべて話したよ」

「ほ〜ん。ほぼ、ねぇ」


 陽衣は刀輝にニヤニヤした笑みを浮かべた。

 つまりはそういうことなのだろう。

 というか、オタク的にそうであってほしい。

 勇者と魔王が転生後、別世界で結ばれる。

 有名テンプレの一つだ。


 陽衣の目線に気恥ずかしくなったのか、刀輝は強引に話題を変えた。


「さてと、黒川くんは何者なのかな?」

「いきなりだな。それにおれも陽衣でいいよ」


 陽衣は、嘘を見破るチートも相手の考えてることがわかるチートも持っていた。

 だが、なんとなくこの二人には使わないほうが良い気がした。


 もし仮に使っていたら、こんなにフレンドリーにはならなかっただろう。

 ただ、単に使う元気がなかっただけでもあるが。

 腹が減ってはなんとやら。

 とりあえず陽衣は今までの事情を話し始めようとしたその時。

 刀輝と凛心は急に立ち上がった。

 

「刀輝」

「うん、誰かが家に訪れたみたいだ」


 そういうと、陽衣の方を見て言った。


「とりあえず、僕たちの家においでよ。続きは僕たちの家で話そう」

「あぁ、分かった。」


 返事はしたが、陽衣の内心はというと、


(一緒に住んでるのか)


 いつでもオタクはブレない。

 あと、見上げると首が痛い。

 チビって大変。


「この街に僕たちの家があるんだ」

「ん。住みやすいいい家」

「そうか、お邪魔するよ」


 二人の家に向かいながら陽衣はこれからのことについて考えていた。

この物語はテンプレ多めでお送りしています。

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