表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チーターの待ち人  作者: 春ヶ勢はせる
第一章〜思い出の剣〜
12/43

森での出会いはテンプレ通り

「森、だな」


 森だった。

 陽衣は一人、森にいた。


 自分の体も若干小さくなっていた。


「今、いくつだろう」


 少なくとも高校生の体ではなかった。


 目の前の木の高さと見え方からして、自分の身長が百三十センチメートルくらいだと理解した。

 たぶん小学生くらい。

 次に、自分の力が弱くなってないかだ。


「こればっかりは試してみるしか無いか」


 目の前の木をデコピンしてみる。

 音を立てて木が倒れた。


「よし、力はそのままだな」


 少し安心した。

 少なくとも身体能力は大丈夫。

 それで安心して良いのか?、という質問は受け付けない。


 さて、ここからが問題だ。


「どこに向かえば良いんだよ……」


 リアルここはどこ……状態になってしまったので、どこに行けば良いのかわからない。


「とりあえず歩いてみるか」


 こういうときは自分を信じて歩いてみる。

 そうすれば、きっと『奇跡』という名のご都合主義チートが発動するだろう。


「とりあえず、木の倒れた方に進んでみるか」


 倒したのはお前だよ、という質問は受け付けない。


 にしても、謎だ。

 なぜ、気づいたときからこんな年齢なのだろうか。


「まぁ、考えてもしょうがないか」


 考えてもしょうがないことは考えない。


 多くの知識や能力を手に入れた陽衣には、自分にできないことはどう考えたってできないことを理解していた。

 チーターができなければ、ほとんどの人間にはできないのだ。


「会えるかな」


 一緒にこっちの世界に来てくれたはずの女奈。

 記憶のないはずの彼女は今、どこでなにをしているのか。


「まぁ、少なくともおれみたいな状況にはなってないだろ」


 自分の最悪と言っても過言ではない状況を考えて楽に考える。

 彼女の能力は、自分の能力のオリジナルなのだ。

 自分よりおかしい状況なわけがない。


「と言っても、記憶がないんだよなぁ」


 記憶と一緒に能力も消えてなければいいが。


「まぁ、今考えてもしょうがないかぁ」


 とりあえず、自分のことを考えないといけない。

 なんせ、いくら進んでも木しか立ってないのだ。


 そのまましばらく歩いてみる。


「ん?」


 なにか音が聞こえた。

 よく聞くと、ドッゴーンやらカーンやらボウやら聞こえる。

 それとかすかに人の声。


「とりあえずあっちに進んでみるか」


 絶対に行きたくないような音も聞こえる。

 だが、その騒音は、


「わるくないなあ」


 オタクにはどんと来いだ。



 そのまま歩き続けた。


 なんと行ったら良いのか……。


 少年と少女。

 二人の子供が戦っていた。

 二人とも百五十センチくらい。

 正確には、技を出し合っていた。

 なぜ言い換えたかと言うと、どちらにも殺意がないからだ。


 かなりのレベルだ。

 それこそ、陽衣もすげーな、と思うくらいには。


「すみませ〜ん」


 とりあえず呼んでみた。

 どちらも集中しているのか返事がない。


 もう一度呼んでみたが結果は同じ。


「……待つか」


 それからしばらく待ってみた。

 だが、終わる気配がない。


「すみませ〜ん」


 呼んでみたが、やっぱり返事がない。

 そろそろお腹も空いてきたので止めることにした。


 まずは二人の技を見る。

 集中して技を見切る。


 そして、隙きを突いて


「ちょっとゴメンな」


 二人の技の重心を抑える。


 いきなり入ったせいで、二人とも戸惑っている。

 その目に敵意が出たらおしまいだ。

 相手がなにか言う前に陽衣は弁明し始めた。


「いや、その…な。何回か呼んだんだけど返事が返ってこなかったからさぁ」


 二人はしばらくキョトンとしていたが、しばらくして少年のほうから話し始めた。


「それは良いんだけどね……。僕たちの中によく入ってこれたね」

「あなた、何者?」


 その言葉に答える前に、陽衣は一言。


「朝昼って飯を抜いてるんだ。どこかご飯を食べられるところはないか?」





 二人と出会ってからちょっと歩き。

 ファミレスらしきところに入り。

 陽衣は目の前の料理を見ていた。


「オムライス……だよな」

「嫌いだった?」

「いや〜、好きだよ」


 目の前にオムライス。

 とりあえず食べることにした。


 しばらくぱくぱくして時間が過ぎ一段落したタイミングで、少年から話し始めた。


「僕の名前は勇日(ゆうひ)刀輝(とき)

魔月(まづき)凛心(りこ)


 その言葉に、陽衣は条件反射で考えてしまう。


()()。まさか、な)


 まぁ、その考えは一先ず置いといて。


「おれは黒川陽衣。君たちの年齢を教えてほしいんだけど」


 その言葉に、少し不思議そうな顔をして


「僕たちは、どっちも十四だよ。でもなんで?」

「諸事情で自分の年齢がわからなくてさ。でも、君たちが十四ならおれは十ぐらいかな?」


 この世界の人の身長や年齢に問題があるわけではなさそうだ。


 それにしても、だ。


 正直問い詰められてもしょうがないと思った。

 それくらい苦しい言い訳だった。

 だが、


「そっか」


 それだけだった。


「聴かないのか?」

「今はね」


 どうやらある程度理解のある相手らしい。

 子供の気まぐれかもしれないが。

 だが、陽衣はどうにもこの二人を子供に見れなかった。


 まぁ、そんなことはとりあえず置いといて。


「森で同い年の少年少女と出会うか〜。ありきたりのテンプレだけど……」


 ため息を付いて一言。


「わるくないなあ」

この場合って転生なのかなぁ? 転移なのかなぁ?

いつでも良いから判定求む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ