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リボン

 水平線に近い距離で飛行しているとイルカの群れが一緒について行ってくれる。彼らもどうやら行き先が同じようだ。北東都市ルナファーレから南東都市フレファーレへ。ウルが、海が近くに見え怖がっているので、高度を上げた。南東都市フレファーレは南国大陸でバカンスを楽しむ人もいるくらい熱い。ローブの中に氷を入れることで涼しさをまとっている。ここでの依頼は五つの島の遺跡調査が主な仕事だ。ジャングルは嫌いだ、何が出てくるかわからないし、対処方法が全く分からない。先住民から話を聞いてからではないと入れないからだ。毒消し溶液がいくつあっても足りないくらい。麻痺毒がいつ起こるかわからない。回復術士が必要不可欠。だから自分でやれることをやるだけ。石碑が見える半径十メートルをアイスレイジ、ファイヤボールで爆発、破壊させる。きれいに見晴らしがよくなった。降りて確認する。ウルに近くに魔物が居ないか、確認させる。「うん、近くにいない」二人の見解が一致したので一つ目の石碑から読み出す。「?」パズルの類の石碑だった。上を見ろ、下を見ろ、右を見ろ、下を見ろ、…。たどり着いたのは北を固定して、一番左端、アイスレイジで石碑を壊すと中に宝箱が出現した。石を落として罠を確認するが反応なし。宝箱をもって、ダスタード王の前へ姿を現した。「これが石碑を解読した結果出てきたものです。」触れていないことを残すため飛行で運んだ。一番下まで降りていき一番上まで持っていって開けてみる。すると石板が躊躇っていたが、王として石板に触れた。リボンのかかったプレゼントが手のひらに置かれていた。慎重にリボンを開けると、なくしたはずの母の形見の指輪が入っていた。この石板は失われたものを取り戻してくれる石板だった。そのことが分かっただけでも収穫があった。素晴らしいプレゼントをありがとうとUに言うと、後日、天気が良い日に呼ばれ、白金貨10枚と金貨500枚が渡された。金貨の使い道は先日のような使い道で頼むと言われ、王様を担いで欲しいとの事だった。

大通りのにぎわった場所にではなく一本外れた民間通りで野菜を売っているおばちゃん。元気が無くて、どうしたかわけを聞いてみた。腰を痛めて動けないとちょっと見せてと言い、針で軟骨と骨の位置を正した。途端元気になったおばちゃん。でも野菜が高い。主婦たちは手が出ない。おばちゃんに金貨10枚渡して、「今日は全品銅貨10枚でどうだい。王様からの伝言だよ。」すると、おばちゃんはり切っちゃって、「今日は王様感謝デー野菜全品銅貨10枚だよ」、すると人が集まる集まる。その店の主人は急いで馬車に乗って野菜を運んでくる。ケーキ屋のお姉さんとお父さんと弟くんの三人で切り盛りしているお店があった。「お母さんは?」と尋ねると足を痛めて立てないらしい。Uが処置してあげると、立てられるようになった。血がついてしまったので、代わりにパティシエの服をくれた。金貨30枚渡して、「国王様より頑張るようにと渡された。」雪を積もらせて、皆雪なんか見たこともないのにあのケーキのお店だけ雪が降っている。弱めの吹雪の石をを作ってインパクトを与えた。いたる個所から吹雪いてくる。お母さんも手伝えるようになり家族四人で小さなケーキ屋さんを営んでいる。毎日、作っても作っても売れ切れてしまうので、うれしい限りだとご主人は言うので、せっかくなのでごちそうになった。Uはモンブラン。ウルも同じものを頼んだ。おいしかったのでお代わりした。「この間はどうもありがとうございました。王様からのお金と言っておりましたが、研究科のU様ですよね。世界を跨いでいろんな旅をしている冒険譚、子供たちが大好きなんです。前回お礼できなかったので、せめて、夕食でも…。」「それじゃ、頂いちゃおかなあ。って、すみません。」「ご主人、今日はね。お肉を持ってきたんだ。マンモースっていうお肉なんだけど、知っているかい。」「たまに向こうの国からのお客様が凄くおいしいお肉があるんだけど捕まえるのが大変だし解体作業が大変なんだ。腐らせないで持っている人は一流の人間だって。」「奥さん、番重を二つ」肉を一口大に切っていく。解けないように氷を載せる。大きな鉢の中に木炭を入れ、その上に網を敷く。肉の焼ける音が心地よい。香草の香りがして良い匂いがする。今だと叫ぶと一斉にひっくり返し、また待つ。そして、突撃と言ってお肉を自分の茶碗に入れるとパンにはさんだり野菜にくるんだりして、楽しんだ。あまりのおいしさに泣いている。おなかがパンパンになるまで食べて食べて食べ尽くしてくれた。みんなの笑顔が輝いている。別れの時間になり、さよならをした。

ここは地元に愛されてきたショットバー、最近はお酒だけではやっていけず、料理も出すようになった。なので酒屋になった。一日の儲かりは銀貨40枚、他の店に比べれば良いほうだ。ある時、男性客から金貨30枚渡され、今日の飲み物食べ物代すべてただにしてくれと言われた。大勢の客を連れてやってきた。あれからというものこうして、忙しく仕事をさせてもらっている。ここで取れる食べ物でお客がつまみにしたいものリストを渡されて、そのようにし、値段もその通りにしたら、店が完全復活した。もし、あの男性客がもう一度現れたら感謝したい。感謝の一杯を作りたい。そう願っていた時に来店してきた。来店してくると自然と人が集まる。不思議だ。その感謝の一杯を飲んでもらって「うまい」と男性客は微笑んでいた。私は忘れない今日という日を。

一人一人が大切にしているこの日をどう過ごしているのか、考えたことはあったけど、気に留めたことはなかった。自分自身が苦しい思いをしていて今でも、戦い続けているから。誰かに救ってほしいと思ったことだっていっぱいある。でも、それはかなわないことだって言うことなんだって言うことを命一杯感じたことだってある。それでも生きないといけないつらさがここにはある。なぜ生きなければならないのか?そんな問答を数万回繰り返し続けても死ねない理由に縛られている。時代に縛られ生きていかなきゃならない。時代を間違えて生まれてきたと思っている。あと何回、このつらさを続ければよいのだろうか?声なき心の声で叫び続ける。声を出して叫べって。叫ぶ環境がないからさ。ペンをもって書きなぐればいいかって、手が痛くて、それどころじゃないんだってば。指までつってきそうなのを堪えつつもタップし続けている。それが今できること。勉強ももちろんしないといけないけど、息抜き出来る空間が欲しい。動かない指を必死に動かして紡いでいる。下のほうから、細やかなにおいがしてきた。Last ChristmasI gave you my heart But the very next day you gave it awayThis year to save me敵に someone special 

フロスト地方に帰ってきた。相変わらずポストにはたくさんの封筒が入っている。取り出して。中に入って、暖炉に火を入れる。南大都市トリノに行って、木の実LL×3銀貨15枚を買う。ウルのために小さいマフラーありませんかと尋ねると、その場で作ってもらった。お金はいいというので外へ出てみていてくださいと言い、百発近くの花火を打ち上げた。ケーキとピザを空間にとシャンパンを五、六本計銀貨100枚使って家に戻った。ウルと話しながら食べる。「このピザおいしいね」「そうだね、おいしいね」シャンパンを開けるとヘアの中でコルクが暴れだした。大笑いして、ウルも笑った。特製の氷のグラスに氷のスポイトを作ってシャンパンを入れる。ウルが寝静まった後一人で黙々とお酒とピザを食べる。ペンギンたちがよたよたと歩いてくる。おなかをすかせているのだろう、この家からおいしい匂いがするのかずっと見ている。お湯につかり体を清めてから、コンコンと扉をたたく。ドアを開けるとお辞儀をして、モモンの実を持ってきてくれた。苗はラフの木一本の隣に植えてくれて、ペンギンのワルツを踊るとすくすく成長し、大きな木へと変貌した。踊りを踊った者たちは再度、お湯で清めてからやってきた。全部で四匹、手を出して握手をする。Uが、「どうぞ、我が家へ」と招くとぺこりと頭を下げながら入っていくペンギンたち。シャンパンを開け、二次会がスタートする。コルクが飛んでけらけら楽しそうに笑いだす。ソファに座りシャンパンを取ってもらい飲み干す。いい感じに寄ってくる。黒板とチョークでアイスと書くと、氷をむしゃむしゃと食べて酔いを醒ましている。その姿にUは笑う。ピザが温め直されたので小さく切って、食べやすいようにする。おしぼりも用意した上げてテーブルを囲んで食べ、グッドサインを見せる。シャンパンを飲むと楽しくなり、笑いこけて、余っていたピザがきれいになくなった。Uは後片付けをすると、ペンギンたちにお礼をしに氷で作った籠にラフのみを入れて、四匹それぞれに持たせた。途中でしょんぼりして泣くペンギンもいたがまた会えるさと仲間が励ましているのだろう。みんなで一例をして手を振って吹雪の中消えていった。結果はどうであれ、楽しい一日になった。モモンの木は皮をむいて食べると、荷重が凄くて甘い。ラフのみと違った高級感がある。空になった空間はモモンを大量に入れることにした。取っても取っても、実がなり続ける。もう良いだろうという量を取って、家で眠ることにした。Uにも温かなプレゼントが届いた。それも手のぬくもりを。



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