ラビリンス
迷宮を探索依頼されたのが本当の目的だった。王様の母君がお隠れになられる前に託したとされる古代迷宮アンダコレアのラビリンスに石板と一緒に遺品が置かれているらしい。王は、職務を全うせねばならないし、部下に任せるにもいかない。頼れる部下は数が圧倒的に少ないからである。そこで、石碑、石版の研究者のUが召喚されたということだ。高い位置から中央にあるのが目的地だ。飛行して取りに行った。石板に触れると毒状態になった。慌てて、毒消しを飲む。スキル毒体制が向上した。もう一つのものはアンティークのブローチで中を開けると幼いころの家族写真だった。大事に持ち帰り、国王に渡した。国王は涙を流し、流した涙がブローチに落ちると回転して、小さなカギが現れた。玉座の裏にある小さな鍵穴に入る穴とぴったりだった。これは、今までの国を揺るがしてきた告訴状だった。すぐにそのものらを呼び出し、尋問にかけ、打ち首とした。本来助けるべき部下を助け、国が安泰した。国王からの褒美として、サファイアが与えられ、氷属性魔法が向上した。ヤシの木のジュースを飲みながら、疲れを癒すU。王宮にて、連日熱い夜を過ごしているが、ラフのみがなくなってしまったので口寂しくなってしまった。昨日はミルクで、今日はヤシの実、明日はココナッツミルクでも飲もうかなと考えていた。「王宮に入ってから一週間、そろそろ潮時と考えて、王様に次の依頼があるのでお暇せていただきます。」と言って、Uの家に着いたのは一か月半かかった。街で髪を切り、ひげも剃ってもらって、すっきりした。木の実LLが売っていたら即購入して、ウルに食べさせた。「う~ん、おいし」と言って喜んでくれる顔が愛くるしい。心配なので、もう一袋全部で銀貨40枚支払った。ラフのみをあるだけ取る。とっている最中でもまた次の実がなるので永遠に尽きない作業である。ある程度貯まると空間に放り込む、寒さで冷えているので悪くならない。途中でラフのみを食べて、栄養補給する。大きな石を拾ってきて、ウォーターリングで切ると、岩風呂にし、二十四時間入り放題にした。お湯もあふれるようにして、氷漬けにならないようにした。郵便受けを見る。相変わらずたくさん入っている。関係ないものは次々に暖炉に放り込む。マンモース裸で狩る。全部で四体狩った。お風呂に入り、血糊を落とす。お湯が真っ赤になり、ウォーターリングとファイアボールでお湯を取り換える。偉い勢いで取り替わった。これが宝石の力か。すさまじいなあと思った。南大都市トリノに行って、短剣を新調してくることにした。銀貨20枚でいい短剣が変えた。おまけでベルト付きだ。洋裁屋で水色のローブを買った。古くなったローブを買い取ってもらい銀貨30枚で取引した。下着類の予備も買い揃え、銅貨90枚で買った。エルフの里へ一端寄っていく。病人がいるかどうかと何か変化が無いかを確認する。特別何も無かったので、ほっとした。三日間したら、また、出ると言って、出発した。ウルの状態も見てみたかったと言っていたので、預けておいたがすぐに戻ってきた。飼い主に離れたくない。という習性でもあるのかなと思った。東南大都市エルマークより東、ダスタード王国がある。北東に千五百キロに位置する北東都市ルナファーレに依頼主が居る街だ。手紙の裏には石碑の跡が刻まれていた。なんとしても止めなければ。Uの感が当たっているのなら、その石碑と同じことをした場合、多くの死者が出る。TPを飲んでは、超特急で飛行し、休憩を取りつつ、を繰り返した。ウルはローブの中で待機してもらった。小さなアイスウォールを作って、重圧に耐えれるようにして工夫はしているが、保てるかどうかは定かではない。何か障壁になる魔法があれば、良いのだが、そう上手くいかない。これ以上の速度を出せば、ウルは死ぬ。普通の飛行に変えて、のんびり行くことにした。疲れていったってどうしようもない。間に合わないならそれまでだ。王国が責任を取れば良い。すでに疲弊しているのだから、やるだけのことはやった。今やっと、北東都市ルナファーレに到着する。LPを二人で一本ずつのみ、地面着いた。かまど亭はどこだ。道行く人に、「失礼ですが、かまど亭はどちらに?」「ここからまっすぐ行ったところだよ、そうそう、あんちゃんたち、空を飛んできたのかい、もしかして魔法使い。」空から飛んでくる魔法使いが一人二人はいる。かまど亭に入ると、依頼者を探す。「こっちこっち」と手を振って、呼んでくる。飲み物はビールでいいか。「ぐびぐび」「兄さん、いける口だね」「この石碑はどこにある」「マスターお代わり」「はいよ」「真面目に答えないと、街中の人間が死ぬぞ」「え!」「どういうことだよ、兄貴、お宝の話じゃないのかよ」「どこでそれを見つけた」「王宮の拷問部屋の最奥地だよ。」「じゃあ、お前はどうやって入った?」「牢屋につかまって、手紙を何枚も書かされて、そこには俺たちと同じ奴らが居て、この石碑を最初に説いた者には褒美をやるぞと言われ、必死になった。筆跡がきれいだと褒められ、ある男への連絡先を書けと言われ、その後釈放された。そいつに会って、話をするために。」「何か変わったことはないか」「魔力持ちはすぐ切れちゃうって。」サファイアは本物でも埋められている核が存在する。「お前たち、俺を呼び出した手間賃、払ってもらうぜ。ついて来い。そしたら、上手いもんたらふく食わせてやるから」ウルが血の匂いがする方向を教えてくれた。氷属性中級魔法アイスレイジで王宮の拷問部屋までの近道をするために大砲を打つ。ドカンと大きな穴が開き、進んでいく。拷問中の奴はその場で処刑され、突き進んでいく。大砲で大穴を開けると肝心の犯人はつぶれていた。そいつにさふぃあを飲み込ませると、すでに発動している石碑が鈍く光り、近衛兵副隊長ボマード、圧倒的な力で皆が振り回される。アイスランスで串刺しにすると急に動けなくなった。生贄の中心が自分であるからだ。どんなに不死身でも生贄の中心であれば話は別問題だ。ぐのおおおおおおおお。雄たけびを上げて、消滅していった。また、市民に拷問部屋のことを暴かれて、王国は失墜になり、クーデターが起きていた。しかし、王国は拷問部屋のことは近衛兵副隊長ボマードによる暴走だと説明。拷問も彼の部下がやったことであると公言した。Uはダスタード王に召喚された。ことは先のボマードの一件である。
「Uよ。よくぞ、国難を救ってくれた。そなたに恩賞と叙勲を授けたい。」「叙勲はご勘弁を、私はどこにも属さぬ故、平にご容赦を。」「恩賞は金貨300枚とする。」「感謝いたします」「国王様より金貨300枚貰ったから、そこの酒場で飲んでいる奴金貨30枚渡すから好きなだけ飲んでくれ。そこの飯屋、金貨15枚やるから、全品ただでお客を呼べ。…。」かったぱしから気に入った店に行きボトルを開けるサービスをするU。国王様が民衆の為にとの言葉を強調して歩き回っていた。でかい店は飲み放題にさせない。ただでさえ儲かっているから。いつも閑古鳥が鳴いている店を盛り上げる。「そこの美人なパン屋さん、金貨を王様から頂いたので15枚で全品ただで今日一日やってくれ。」うれしい収入に抱き合う夫婦。残り金貨100枚になったところで、北東都市ルナファーレを後にした。これで少しは王に感謝する人間が増えるだろう。それが尾ひれとなってうわさされるであろう。また来ることになった暁には、待遇が前よりも少しはましになっているに違いないと思う。