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奇跡の腕

 エルフの里では奇跡の腕として、Uを崇める動きが出てきた。治癒魔法ナイツ・オブ・メス。末恐ろしい能力だ。どんなケガも治せてしまう能力。生きている限り、縋り付いてしまう能力。Uの能力はエルフの民の秘密ということで片が付いた。口外は絶対してはならぬと。白衣は二着作られた。予備の二着といつもすぐ取り出せる一着。ウォーターリングを濃縮したら水刀のようになったので、石がスパッと切れるようになった。木を切る許可を貰い、すのこを作って、石を浮遊させて岩風呂を作り、男女別の薬風呂を作った。これには長老達も大賛成で毎日入っている。着替え場所も作っておりいつも満席だ。水の魔石と炎の魔石を作って、湯を作っている。石板での知識から得た情報がこんなところで役立つとは思いもしなかった。好評だったので、第二弾、第三弾と作っていき広大な面積を誇るエルフの民が入りやすいように等間隔で作った。

 一度家に戻ると申し出た。エルフの民が心配する。このまま戻ってこなくなってしまうのではないかと。そこで長老はラピィという小動物をUに渡した。まだ卵のままであるが、卵からかえると、魔力を注いでいた相手を主人と決め、一生尽くすと言われる希少な生き物だ。少しずつだが、言葉も覚える。落としたらまずいので空間にしまっておいた。皆が寝静まった時に外に出て、フロスト地方の自宅へ戻ってみた。相変わらずポストの中は満杯で入りきらないのは新たにポストがもう一つ作られていてそこに入っていた。家に入り、暖炉に火をともすと薪がないのに気が付いた。薪探しに行ってかき集め、大量にストックしておくと暖を取る。手紙を取捨選別する。いらないものを次々に暖炉に投げていく。しかし、今回は出向いてみる価値があるものが多いな。というところが多かった。中に、氷属性防御魔法アイスガードの洋紙が入っており、早速、無詠唱習得してしまった。これではいかねばなるまい。伝書鳩に返事を書き、鞄にその手紙類をしまった。暖炉の日を消し。エルフの里へ向かった。明け方、温泉につかっていると、「よかった。帰ってきてくださった。おーいU様が返ってきてくださったぞ」と一斉に声を上げる。わらわらと集まってきた。風呂に入りに来る。「で、どうでした。」「依頼の件が多く、少しばかり離れなくてはなりません。しかし、私はエルフの民として、患者を治してから立ちたい。安心して立ちたいのです。」皆、涙を拭っている。けが人はいない。病人もこの間の伝染病以来いない。よって、旅支度をしている。卵の様子を見ると、雛が孵った。首にしがみ付き離れようとはしない。トイレのしつけは魔力を通して、意思が伝わり、降りてするようになったり。Uが座ってからご飯を食べるようしつけてある。実験でエルフの里に危険があると、ラピィに魔力を送ると「U、エルフの里、危ない。」と言って、知らせる。ラピィは種族名なので、名前を付けてやる必要がある。「ウル」と名づけた。

エルフの里では、木々が燃え広がり、皆逃げ惑っていた。今のUには、この火は消せない。それなら、木々の燃え移っていない部分を水属性初期魔法ウォーターリングで切るだけだ。大半の木が焼かれてしまったが、すべて燃えてしまわなかったのは、不幸中の幸いだった。なぜ、燃えてしまったのかはわからない。寒波で火が燃えやすい環境だったのだろう。まだまだ、エルフの里には解析していない石碑があるが、今は目の前のことをやるのが先だ。杖に乗って大空へと飛び出した。南大都市トリノに行き、食材やで一番大きな寸胴鍋銀貨100枚、小さな皿×2銅貨10枚木の実Largeパック銀貨10枚を購入した。寸胴鍋の中に水の魔法石と火の魔法石を入れておく。試しに、木の実が食べれるのかやってみる。小さなお皿に数粒載せてみると、背中から降りて食べ始めた。もう一方のさらには水を少し。全部食べ終わると、下に降り、用を足す「U、水浴びがしたい。」といって、清潔になってから首に乗ってきた。犬や猫とは違うというところか。「ウル、チーズは食べられるのか?」「食べられるが、主が食べたくなさそうにしているのでいらない。」「マンモースの焼肉はどうだ?」「食べたい!」氷のナイフで細かく切り、出来立てのおいしさを味わう。人だかりができ始め、金貨一枚と言って払わせ部位を分けてやると、「うまい、極上の味だぜ」「金貨一枚なんて安すぎるぜ、兄ちゃん」金貨一枚を貫く。払えない奴が襲ってきた

アイスキットで眉間を貫く。そこにマンモースの肉が一口入る。おなかもいっぱいになってきたし、ウルも満足げなので余った肉は飛行させ、小さな皿を洗う。金貨30枚かいい稼ぎになった。肉を浮遊させなが、下を見下ろす。貧民街の人々に空から肉が降ってきた。「見ろ、空から肉が降ってくるぞ」「そんなほら、誰が信じるかって…。本当だ。空から肉が降って来てやがる。でかい肉が。鳥も落ちてくるぞ」「U」ジト目でウルが見ている。「おなかがすくと喧嘩をするのさ。どこでもいっしょさ。飢えの苦しみを知っている奴にしかわからない。そんなもんさ」そう言って、進路方向を変える。目指すはヨートデルト王国の地下通路の探索だ。

 ヨートデルト王国はガルン王国から南西に行ったところにある農業国家である。農業国家が故、別名弱小国家とも言われている。そのヨートデルト王国の王国内にある地下通路に代々秘匿にされてきた地下通路がある。お宝も眠っているため、トレジャーハンターに知らせるわけにもいかない。かといってそのまま放置しておけば、魔物の住みかと化してしまうかもしれない。どちらにせよ、早急に事を運ばねばならない。宝箱の傍に石碑が刻まれているのでなんて書いてあるのかだけでも知っておきたいらしい。そこで、Uの出番が回ってきたというわけだ。早速、地下通路へ案内され、入り口は閉ざされた。万が一調べ上げられても脱出されなければ問題ない。わかった際には、処刑して、我々が自分の目で確かめれば良いこと。アイスキットをいつでも連射できるようセットしておく。現れたのは歴代の王たちだった。ゾンビ化していない。しかし言葉も通じない。氷属性防御魔法アイスガードを使い、推し進めていく一人の王の王冠が落ちた。その王は炎に焼かれて消えた。アイスキットで次々に王冠を落とす。一体だけ王冠を落としても被り直す王がいた。「そなたは、ヨートデルト王国の国王か」首をカクンカクン動かしている。ウルは「この王様、本物のようだよ。何か食べ物を与えてみれば」マンモースの肉をアイスキットで突き刺しファイヤボールであぶっていく、むしゃぶりつき、ウォーターリングで水のグラスを作る。全て食べ終わると、「余は満足じゃ。これをくれてやる」と言って、カギを寄越した。王は光となって、消化していった。「リッチだったんだ。道理で倒せないわけだ」そこかしこから光があふれ、消えていった。鍵のかかったものは石碑だった。何もない石碑に横にある鍵穴を差し込むとぐるっと回って本来の石碑が登場した。“汝子の石碑を見るものよ、われはここに監禁され、死にゆくであろう。せめてこの石碑にわが力の一端を残す。聖水が握られていた。石碑は何も書かれていなくなった。禍々しい空間になりつつある状態で正気を保つためには、先にウルに飲ませ、残りをUが飲み干す。すると、気が楽になり戦闘モードに移行した。ウォーターリングを濃縮して、石を切る。何回か繰り返していく内に外に出られた。王宮の一室に出会られると、治癒魔法ナイツ・オブ・メスで空いた穴を塞ぐ。ウォーターリングで壁をぶち抜き、治癒魔法ナイツ・オブ・メスで空いた穴を塞いで、王城を脱出した。聖水を精製することが出来るようになっていた。ただの水を聖水に変える。魔力を聖属性魔法に変換することが出来るようになった。城下町キザナックに蔓延る瘴気を払うべくウォーターリングで聖水を精製する方法を編み出すのに悩んでいた。水をホース上にして聖水を出し続けるのはどうかと考えた。理論は間違っていない。やってみると案外簡単だった。瘴気は少しずつ減り、三週間かけてようやく片付いた。街がにぎやかさを取り戻した。魔法で瘴気を消すスプリンクラーを設置した。魔法の石は王意外に破壊できない仕掛けにしておいた。王のカギを媒体に作っているからだ。街の中央に設置し、風が聖水を撒く。今や城下町どころか王城まで浄化されつつある。裏で糸を引いている奴は歯ぎしりをして出ていったに違いない。道行く先々で、クーペ大臣が引退されたとかで話がもちきりだった。犯人はクーペで決まりだな。と頭で考えていると、ウルが「なかなかの腕前でしたね。」と褒めてくれる。木の実Largeサイズを買い足すと西の森へと進んだ。この時には気付かなかったが、その後、聖水は作れなくなっていた。一度、城下町キザナックに行くと使えるようになるが、他の場所に行くと使えなくなる。王は民のためを思って、聖水を使ったに違いないと思った。澱む王国を清廉にするために。


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