無間地獄 5
きろく 1にちめ
2017ねん4がつ1にち
(1)はじめに
今日から、味の感想を、ここに出力します。
いっぱい食べて、お母さんのお役に立てるように、がんばります。
(2)食べたもの
白米
(3)感想
ふわっとやわらかくて、もちもちしています。
噛めば噛むほど、ほんのり甘みが感じられて、おいしかったです。
◆
きろく 100にちめ
2017ねん7がつ9にち
(1)食べたもの
フライドチキン
(2)感想
すごい! とてもおいしいです。
がぶっとかじると、ザクザクって、いい音がします。外の衣はパリパリで、スパイスのいいにおいがふわっと広がってきます。
中のお肉はじゅわっとやわらかくて、しょっぱさとスパイシーな味が口の中に広がって、食べている最中なのにどんどんお腹が減ってきます。
手がちょっとべたつくけれど、ぜんぜん気になりません。だってすごくおいしいから。
また食べたいです。
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
ゴキブリ
(2)感想
殻が固くて、羽の部分もガサガサしていて、脚も多いし、食感はあまりよくありません。
噛めば噛むほど変な苦みと、なんだか土っぽいような、それでいてちょっと青臭いような味が口の中に広がります。
がんばって飲み込んだ後も、イヤな後味が消えません。なんだかずっと、口の中でうごめいているようです。
食べたあと、おなかがごろごろ痛くなりました。
すっぱいどろっとしたものが、喉の奥から込み上げてきて。
きもちわるい。
ごめんなさいお母さん。これはもう、あんまり食べたくないです。
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
ねずみ
(2)感想
固い。噛んでも噛んでもなかなか千切れない。顎が疲れた。
味は、前に食べた鶏肉と少し似ている気がする。でもにおいが変。口の中にずっとイヤな風味が残る。
これまでの経験上、なんとなくお腹を壊しそうな感じが解るようになってきた。
だから、お母さんごめんなさい。実は今回のねずみ、全部食べきれなくて、あとで『ぽち』にこっそり食べてもらいました。
ぽちは人間じゃないけど、私のお友達。産まれた時がずっと一緒にいます。
いつもありがとう、ぽち。
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
ぽち
(2)感想
どうしてこんなことをするの
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
ガソリン
(2)感想
苦い。
最近、知らない人たちが私に会いにやってくる。
その人たちは、私が食べているところをじいっと観てくる。
お母さんは何を考えているの?
私は何をしているの?
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
マニキュア
(2)感想
気持ち悪い。
お腹が痛い。
くるしい。
死にたくない。
お母さんは私のことが嫌いなの?
なんで。
いやだ。
私はどうして産まれてきたの
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
メチルアルコール
(2)感想
おかしい。
あんなに優しかったお母さんが、こんなこと、私にするはずが無い。
……私のせい?
私が役立たずだから、お母さんを怒らせた?
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
どうすればお母さんは、また私を愛してくれる?
変わらなきゃ。
お母さんの、ために。
悪いところ、ぜんぶ。
直さなきゃ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は誰だ。
お前は
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
ユリ
(2)感想
私の名前は黄昏愛。
私は『あの人』に愛されている。
◆
縺溘☆縺代※
縺薙s縺ェ縺ョ 縺懊s縺カ 繧ヲ繧ス
(1)
繧ュ繝「繝√Ρ繝ォ繧、
(2)
私達は恋人同士。
だから、愛し合う義務がある。
私は幸せ。
私は『あの人』の為なら何だって出来る。
だって『あの人』は、いつだって優しくて、私のことだけを愛してくれる。
私にとって、たったひとりの、大切な人。
『あの人』と過ごした蜜月を想うだけで、私、
指が、止まらなくて、
きもち、よくて、
ああ
◆
きろく ■■■にちめ
■■■■ねん■がつ■にち
(1)食べたもの
ガラス
(2)感想
足りない。
もっと、もっと、愛が欲しい。
違う。足りないのは私のせい。
全部私が悪いんだ。
私が『あの人』の愛情に、ちゃんと応えられていないだけなんだ。
私が悪い。私が悪い。私が悪い。
ちゃんと応えなきゃ、ちゃんと応えなきゃ、
味なんてもう解らない、それでも、
食べなきゃ。食べなきゃ。食べなきゃ。
全部、残さず、綺麗に。
そうじゃないと私は、
あ
おなかが すいた
◆
きろく 269にちめ
2017ねん12がつ25にち
(1)食べたもの
■■さん
(2)感想
私の邪魔をするな。