エピローグ
大会からの帰り道である。夕暮れ時の鷺沢女学園へと続く道のりを俺と凛、七海の三人で歩いていた。
「これからも、私たちのコーチお願いするわね」
優勝したトロフィーを大事そうに抱えながら七海が下から俺の顔を覗き込む。
「わ、わたしも。コーチお願いします」
それにつられて、慌てたように凛もこちらを覗き込んできた。
「わかってるよ」
苦笑して俺は改めて二人の方を見やる。
「ありがとうな。俺をここまで連れてきてくれて」
俺が穹戯からもう一度逃げ出しそうになった時。
前をむかせてくれたのは凛と七海だ。
だから、俺はこいつらの意志に応えようと決めた。
「週明けから、また厳しくしていくから覚悟しとけよ」
「はい、よろしくお願いします」
「望むところよ」
「それじゃあ、今から鷺沢女学園まで競争ってのはどうだ? 俺に負けた奴は練習メニューを倍ってことで。それじゃあ、よーい、ドン!」
そうして、走りだす。
「ちょっと!? 大人気ないわよ!」
「待ってください!!」
後ろから凛と七海の慌てた声が聞こえて来る。
その声を背中越しに聞きながらーー
夕日で朱く染まった蒼空を見上げる。
いつか、俺も彼女たちと一緒に飛べるように自分の翼を見つけることができるだろうか。
今はまだ翼を見つけることができないかもしれないけれど、彼女たちと過ごしていく中で俺もきっと成長していけるだろう。
そうして、再び試合開始のホイッスルが鳴り響く。
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