ロール国の暗殺者
翌日、アリーアはライアンとオーディンを連れてある店に来た。「ここは?」古びていて、誰もいない様に見えた。「知り合いのやってる店」それだけ言うとアリーアは店の中に入っていく。慌てて二人も入る。
「ユーリ、いる?」呼ぶと、上から音がして誰かが階段を降りてきた。ぼさぼさの紫の髪丸く薄い眼鏡を
かけていた女だった。10代後半だろうか。ユーリと呼ばれた女はアリーアを睨んだ。「女王、朝からうる
さい!まだ八時なんですけど!?」起きたばかりにも関わらず、大声で文句を言っていた。「ごめん、
ごめん。実は頼みがあって…」「頼みって?」アリーアは真面目な顔で言う。「ユーリの暗殺の能力を見込んでモンブラン国を一緒に救ってほしいの!」ユーリは息を吐き、眼鏡を取りカウンターの上に置いた。「女王、私は他国の為に戦わない。この国の為だけに戦うって決めてるの」モンブラン国を救うのはこの国の為にならないと分かっているのだ。「でも、私を救ってくれた女王の為なら。」アリーアの顔がパッと明るくなる。「ユーリ!」「でもね、本当のことを言うと暗殺者は人を救えない。沢山人を殺してきたら…。今までやこれからも」今更人を救えるはずがない。差し伸べようとする手は血で汚れきっているのだから。「知ってるわよ、ユーリが困っている人達の為に暗殺をしているって。最初から人を救ってるじゃない」ユーリは目を大きく開け、固まった。「だから、貴方の手は汚れてない。人を救ってる時から」「っ綺麗事を…」よく汚れていないと言える。殺すことは罪だ、その罪は消えない。たとえ、人を救うためにしていても…。洗っても洗ってもその血の痕は残るのだ。正しい道へ行こうとしても。「分かってる、私もその綺麗事で大切な人を失ったから」過去を悔やんでも何もならないのに。アリーアの顔は悲しみで歪んでいた。「女王…」アリーアがこんな表情を見せることはない、見たことない。ましてや、一番近くにいる執事のグレイスまでもが「…分かった。だけど、後でたっぷり報酬は頂くから」女王の心の闇を見たような気がして彼女の顔を見れなかった。「うん…」




