モンブラン国のデリケートな事情
「だから、他国の事情にそんな簡単に首を突っ込まないでください!俺達のいるこの国まで巻き込まれる
可能性があるんですよ!」先程からグレイスが必死に止めている。その理由はアリーアがモンブラン国を
救おうとしているから。モンブラン国はロール国の隣にある国で数十年前までは穏やかで、マシュマロ
大陸の中では一番力のあった国だった。だが…前王が病死し、王が今のミハエルに変わってからというものの
国内は荒れ、他国との交流はなくなった。更には他国と戦をし、領土まで奪っていた。よくある話だ。
そんな中、ライアンとオーディンは危険を犯してでもアリーアの元へ助けを求めに来た。
何故かまだモンブラン王に手を出されてない国に…。「聞いてた?今の話。私も皆を危険な目に合わせたく
ないけど、こうして来てくれたのよ?もう助けるしかないじゃない!」それにとアリーアは続ける。
「もう同じ光景を見たくないから…あの時のように」全員なんの事を言っているのか分からなかった。
分かるとしたらずっと先だが。「それはそうですけど…」グレイスはまだ何か言いたそうだったがアリーアを
見た。「じゃあ、約束してください。仕事をすると」「まだ引きずってたの…」仕方なく頷いた。
「救うと言っても軍を作らなければいけません。それに精鋭部隊も」それ程の準備をしなければ
いけないのだ。「わかったわ、明日から早速集める。その前に…この二人は国へ帰国しなくてもいいの?」
ライアンは首を縦に振った。「ああ、この国へ来たのはこの為でもあったけど知り合いに会う為でもあった
から」そう言って悲しげな顔を見せた。オーディンも同じだった。「ひとまず、客室があるからそこで
寝てくれる?」二人は頷いた。
夜、客室で二人は休んでいた。「まさか、本当に救ってくれるとは」ライアンはベットの上で大の字に
なっていた。「うん、今まで助けてもらえなかったから…」オーディンは悲しげに笑う。
どの国もモンブラン王が恐ろしかったのだ。まあ、アリーアはそんな事情も知らなかったのだが。
「でも、この国の女王は優しいんだね」「家臣達は、いや国民全員がアホだと思ってるらしいけどな」
ライアンは笑いながら言う。「そう?僕はそれでもいいと思ってるけど…」最後の言葉は小さくなる。
「(なんだよ、この恋する乙女の仕草は!)」心の中で突っ込んだ。




