7 梅田学年主任の話
「それでは学校の方にお越しください」
そう言って校長が電話を切った
今さっき教頭以下数人が出て行ったばかりなのに、校長は佐藤の新たな保護先(祖父母)に電話をして保護の手配をしていた
仕事早っ!
真面目に驚いた
思わず手を止めて校長の方を見たら
「書類の方はどうですか?」
と催促が来た
出来る人間は他の人間にも厳しいらしい
前の学校の時は担任が虐待に気が付かなくて、近所の人が警察に通報し
役所に連絡が行き
児童相談所が動き
小学校が大炎上したというのに
この違いはなんなんだろうと思う
ところで生徒が保護されるの前提で動いているんだけど大丈夫なんだろうか
気になって聞いてみた
校長からの返事
「八津先生なら大丈夫ですよ」
・・・信頼が半端なく重かった
まあ知っていたけど
他称『インテリヤクザ』だからな
いじめや虐待は絶対に許さないという生徒にとっては守護天使のごとき存在
一方、監督省庁等管理部門からは蛇蝎のごとく嫌われている
ルールや法律を完全に無視したフーリガン
でもその成果は他者をよせつけない程である
つまりは実力で不平不満を抑え込んでいる、というわけだ
「だったらなんで動かなかったんだ」
文句を言おうものなら恫喝しつつ、返答しだいでは殴るとばかりコブシを握り、怒りのあまり握ったコブシがプルプル震えているのだ
言ったからにはオレよりもうまくやれるんだろうな
ちゃんと法律や条例の範囲内で
できなかったらどうなるか判るな?
言葉を飾っているが、早い話がそういうこと
敵対した人間は後になって口ぐちに言った
ヤクザみたいに見事にこちらの話を聞かない
・・・どっちもどっちである