表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

全てはなかった事にして

作者: m

恋しいなんて想いは

洗濯機に丸めて放り込んで

乾燥機にかけて

しわくちゃに乾いた

シミをキレイに落としきる術なんか

知らなくて

何でかな

落としたい汚れだけが

やたらしっかり残ってる


愛してるなんて言葉は

冬の冷凍庫の中でカチコチに

凍りついてる氷みたいに

使われる事もなく転がって

出番が来ないままたぶん

古いからって捨てられるだけ

あんなに固く凍ってたのに

冷凍庫から放り出されたら

簡単に溶けて排水溝に流れてく



いっそ一生一人で

生きて行こうと

そう決めた


恋も愛も知らない

いらない

全てはなかった事にして

またゼロから


始められないかな


どうして始められないのかな


認めたくなんかないよ

未練がましい自分なんか


ダサ過ぎて笑えない


好きで好きで好きで

好きで好きで好きで


たまらないなんて


今まで言えなかったのに


何で今さら言いたくなる

何で今さら言いたくなる



カッコつけたがりなんだよ

最後まで

会えなくなったって

そんな事言わせんなよ

言わせんなよ


しわくちゃになった

シミのついたシャツなんか着れないからな


氷は溶けて排水溝に流れたぞ



だからもう

だからもう


全てはなかった事にして



頼むから

全てはなかった事にして





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 生活感、臨場感あふれる素敵な詩ですね。
2019/10/22 05:27 退会済み
管理
[良い点] 弱さですね。 忘れたいと思うのは忘れられないことだから。 流した筈なのに疼くのは吐き出していないから。 結局、排水口の向こうすら胸の内なんでしょう。 [一言] 知らなければ良かったとか、…
2019/04/18 11:22 退会済み
管理
[一言] これほどの激情を抱けるなら、確かにそれもまた一つの幸福の形だったのだろうな〜、と感じさせられますね。 そこらへん今の時代ってモノや情報が溢れすぎて、誰かや何かを心の底から真剣に渇望する、と…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ