1/2
01 忘れ去られた人々
昔々、人間と魔族が、仲良く暮らしていた時代がありました。
ところがある日、意見の対立で争いが絶えなくなりました。それを見ていた神々は悲しみ、不思議な力で『ピーモンハーフ』と言う一つの種族を造りました。
ある者は人間へ。ある者は魔族へ姿を変えさせ、人間と魔族を仲直りさせようとしました。この神々の作戦で争いは減り、平和になったのですが、人間と魔族が『ピーモンハーフ』の存在に気付き始め、人間は魔族に、魔族は人間に『ピーモンハーフ』を使い、スパイとして送り込んだり、見せ物にしてお金を稼ぐ者が出てきました。
神々は呆れ果て、仕方なく人間には人間界を。魔族には魔界をそれぞれ造り与え、ある誓約の基に行き来が出来る様にし、『ピーモンハーフ』には、人間や魔族が決して入って来られない、異次元の世界を造り与えました。
こうして『ピーモンハーフ』は幻の種族となり、今では誰も知らない、忘れ去られた種族になってしまいました。