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プロローグ
生徒会。それはほとんどの中・高の学校にある組織である。大抵は生徒の自治とか自主性を高めるとかが謳われている。だが、それは建前でしかない。我が聡明学園ではほとんどの生徒会業務が先生から頼まれる雑用である。具体例を出すと、授業で使う資料の印刷や教材の運搬などだ。友達からも「それ、生徒会の意味あるの?」とよく言われるし実際、生徒会役員である僕からみてもそうだと思う。
「おい、白金。お前、生徒会だったよな」
「はい。そうですが。どうされましたか、成川先生」
「ちょうど良かった。この教材を資料室まで運んでくれ」
「あ、はい。わかりました」
そう、こんな風に頼まれる。わが校は普通より少し偏差値が高めの私立中高一貫校だ。部活や同好会、それにバンドをやったりするのが普通の生徒なのであろうが僕はそんな人たちを横目に見ながら資料室まで頼まれた教材を運んでいた。どうして、僕はこんな生徒会に入ったのだろう。たぶん、それは生徒会長に出会ったことから始まった。