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真霊写心  作者: PN
6/7

プルルル…

「もしもし」

無感情な女の声。

「話したいことがあるの。会って…」

私はゆっくり言った。

「いいわ。私の家に来る?」

少し冷徹さを増して女が言う。

「うん」

「えっと…私の家分かる?住所は…」

女言った住所を私はメモした。

ここからなら30分程度だ。


ピンポーン。

私は女の家のチャイムを鳴らす。

「いらっしゃい小西さん」

「あら、どうしてそう呼ぶの?」

私は少し眉をひそめて聞く。

「名前で呼ぶのは人前だけよ」

電話の時にも増して、女は冷酷に言った。

「じゃあ私も藤崎さんと呼ぶわ」

私も同じくらい冷酷に言った。

「そう。とりあえず上がって」

藤崎はそう言うと、おそらく自室があるであろう2階に上がった。


「私の部屋よ」

藤崎は無感情にそう言った。

部屋は割と片付いている。

「ところで話したいことって?」

藤崎はあくまで無感情に話す。

「連続殺人事件の犯人が分かったわ」

私は探偵にでもなったつもりで言う。

「誰?」

藤崎は私をまっすぐ見つめながら言った。

「私よ」

私がそう言い放つと、藤崎の眉が僅かに歪んだ。

私はそれを見逃さなかった。

「どうして…?」

不安じみた声で藤崎は言った。

私は少し口元を綻ばせながら言う。

「私はこれからあなたを殺すわ。これで悪魔の連続猟奇殺人事件は終止符を迎えるわ」


翌日、校庭で藤崎の遺体が発見された。

四肢を切断され、胴体はなかった。

藤崎の右目の下には油性ペンで霊、さらに左目の上には写の文字が書かれていた。

目から血の涙を流している。

両目がえぐられ、左右が入れ替えられていた。

犯人が何故そうしたかは分からなかったが、あるテレビ番組のコメンテーターがそれを推理した。

写と霊の文字からして、心霊写真ではないか、それなら右目が心、左目が真という字に対応する。それを入れ替えていたのなら、左右で真心という字になると。

藤崎の遺体の傍らに落ちていた

「ライ麦畑でつかまえて」という本の最後に角ばった文字で

「あなたに貸すつもりだった」と書かれていた。

犯人は筆跡鑑定で特定されないようにしたのだろう。

そして、指紋も全く残っていなかった。

この事件の犯人は結局分からず、迷宮入りとなった。

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